紹介で患者さんが来られました。
ご相談内容は咳と痰がだんだん出るようになってきた事と頭皮の痒みやカサカサ感等だそうです。
咳と痰がでるという事ですが、現在風邪などは弾いていないか?をお伺いしたところ、特に引いてはいないそうです。
ただ過去の病歴で約10年前に非結核性抗酸菌症(肺MAC症)と診断されて、約2年間抗生物質による治療を受けられたことがあるそうです。
そしてその後は経過観察を続けているのだそうです。
それ以外にも、過去に細菌性の肺炎を起こしたことがあるそうで、呼吸器に関しての不安がおありになるようでした。
そして、今回咳と痰以外に気になっている症状が、ここ最近体重が減ってきていることだと言われるのです。
確かに、体重減少は非結核性抗酸菌症(肺MAC症)が進行すると出てくる症状ですし、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)は治療を受けても再発する可能性はある疾患なので、不安に感じておられるということが分かりました。
それ以外にも、疲れやすいなどの症状もあり、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の患者さんに多い症状の特徴を持たれていました。
そこで改めて東洋医学的な問診や、それ以外の東洋医学的なチェックを行い、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の可能性について検討してみたのですが、少なくとも非結核性抗酸菌症(肺MAC症)に用いる漢方薬がこの患者さんには合っていない気がしたのです。
そこから逆算的に考えると非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の可能性は低い気がしました。
そこで、改めて、痰と咳が出るような疾患について追加の東洋医学的な問診やチェックを行ったところ、現時点でこの患者さんの身体で東洋医学的におかしいと感じたのは鼻でした。
鼻の疾患が現れるツボに反応が出ているので、厳密な疾患名は分かりませんが鼻の問題によって鼻汁が後鼻漏として出て、それが痰となって出てきているのではないか?と考えたのです。
そこで鼻炎に用いられる漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われる漢方薬をとりあえず2週間お出しして様子をみていただくことにしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・咳も痰も少し減ったそうです。
そこで再度漢方薬をチェックしてみたところ、まだ合っているように思われたので、今度は4週間で様子をみてもらうことになりました。
その後は3~4週間間隔でご相談に来られて3~4か月は同じ漢方薬を服用していただきました。
その後、鼻水と痰は出なくなったのですが、またしばらくして違う感じの痰と咳が出るという事で、チェックしてみると、時期的なものや症状から黄砂によって症状が出てきているのではないか?と思われました。
黄砂の漢方治療は花粉症の漢方治療に近いので、それらに使う漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われるものを選んで飲んでいただくことにしました。
そうすると、再び症状が落ち着いてきました。
ところがしばらくすると、今度は『胸(肺)に空気が入らない』とか、『息苦しい』とかの症状を訴えられたのです。
これは黄砂とかの問題ではないと思い、改めて東洋医学的なチェックを行うと、これはどうも自律神経などの問題のある時に出るツボに反応が出ているため、自律神経や情緒を整えるような漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われるものを選んで服用していただくことにしました。
そして2週間後・・・前回の『胸(肺)に空気が入らない』とか、『息苦しい』とかの症状は大分減ったそうです。
そこで再度身体の状態を東洋医学的に再度チェックすると
とりあえず、自律神経(メンタル・ストレス)の問題による症状が改善したのでとりあえずですが良かったです。
さらに
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