ご紹介で患者さんが来られました。
ご相談内容のメインの症状は鼻炎ですが、それ以外に頭痛、首の痛み、冷え症、腰痛、頻尿等があります。
とにかく、メインの鼻炎はかなりひどく、昼夜とわず、
そして鼻詰まり(蓄膿症)もあるそうです。
この症状、
耳鼻科には小さい頃から通われていて、小学校の頃には度々高熱を出していたため、中学生になってから扁桃腺の手術をしたそうですが、結果として、
どうして鼻炎になったのか?そのきっかけや原因に心当たりがあるかどうかお伺いすると・・・
特に思い当たることは無いそうです。
どういう時に悪化するのかお伺いすると、温度差や気温自体が低下する秋~春までの時期に悪化する気がするとのことでした。
また、鼻炎に関しては後鼻漏もあり、時々鼻汁が硬くなって喉の奥に張り付く感じもあるそうです。
寒くなって冷えるとその症状は悪化するそうです。
この症状と一緒に透明な鼻水が垂れるように出続けるため、自宅にいる時は一日中ティッシュを鼻に詰めて生活しているということでした。
でも何かのはずみで鼻汁も黄色くなることがあるそうですがわからないということでした。
これらの話を聞いて、気になったのは扁桃腺のことでした。
私が過去に難治性の副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎を治療した時に最終的に治療したのがアデノイド(扁桃肥大)だったのです。
そのため、この患者さんも手術は受けていますが、手術を受けたと思われる口蓋扁桃以外の扁桃にまだ何か問題があってそれが影響しているのではないか?と考えたのです。
そこで、その部分を東洋医学的なチェック方法を用いてチェックすると、まだ何か問題が残っているように感じたのです。
その問題を解決するために必要な漢方薬を出すため、更に、問診や舌診などを行いました。
そこで、残っていると思われるアデノイドの問題を改善するために用いたのは、虚弱でものすごく冷えている子供の風邪に用いるような漢方薬でした。
それを1週間お出しして様子をみていただくことにしました。
そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
症状は全く変化しなかったそうです。
かなり改善する予定だったので驚きました。
そこで、この方向からのアプローチを止めて、今度は普通に直接鼻淵の治療に切り替えることにしました。
鼻炎でも漢方ではアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎では診るポイントや用いる漢方薬が異なるのです。
そこで再度この患者さんの鼻炎症状を起こしているメインの原因がアレルギー鼻炎なのか?それとも副鼻腔炎なのかチェックしてみました。
そうすると、東洋医学的には副鼻腔炎がメインの問題であろうと思われました。
そこで、今回はこの患者さんに合うと思われる副鼻腔炎の体質改善を行う漢方薬を出してみることにしました。
そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
全く変わらなかったそうです。
・・・ただ、再度身体の状態をチェックしなおすと漢方薬そのものは合っている気がするのです。
そこで、再度同じ漢方薬を出す代わりに、この患者さんに合う養生法を実践してもらう事にしました。
鼻炎の患者さんは通常、南国のフルーツは良くないのですが、案の定この患者さんも毎日バナナを朝食べていました。
そのため、バナナを止めていただいて、極力味噌汁を飲んでもらうようにお願いしました。
この養生を実践してもらいながら、同じ漢方薬の服用で様子をみてもらうことにしました。
そして、次に来られた際に様子をお伺いすると・・・
微妙に良いそうです。
良かった・・・少しホッとしました。
そこで次に今回は現在服用されているサプリや健康食品を一通り持ってきてもらいました。
そうすると・・・びっくりするくらい多種類のサプリを大量に服用されていました。
中には一度契約すると契約解除しない限り延々と毎月送られてくるサプリも大量にありました。
これらは一つ一つが結構高い金額のものでした。
鼻炎が少しでも良くなるよう、気になったものを購入して飲むようになって、また気になるサプリが出てきたら、今服用しているサプリに追加して服用していたらこうなってしまったとのことでした。
自分ではどれを止めてよいかの判断もできないということでした。
そこで東洋医学的にチェックしてみると・・・
強烈に合わない(身体にストレスになる)サプリが2~3種類あり、あとの5~10のサプリは可もなく不可もないものでした。
これらのサプリの費用だけで、うちの漢方薬の費用の何倍にもなっていました。
そこで、一旦これらのサプリをすべて止めてもらうことにしました。
そして、2週間後に来ていただきました。
そうすると・・・
すべてのサプリを止めてみても、予想通り症状は悪化せず、むしろ症状は少し改善したということでした。
そこで、次にこの患者さんに合わないものをチェックしていくと、どうも電磁波に弱い気がしました。
そこで、まずは、寝る際に枕元にスマホを置かないようにしてもらい、寝る時には電源を切ってもらうようにお願いしました。
それと部屋の電波時計を止めてもらって、安い置時計に変えてもらうようお願いしました。
漢方薬は変更せず同じものをお出ししました。
そして、2週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・
1日中だーだー出ていた鼻水が止まるようになったとのことでした。
そして、スマホを枕元に置くのを止めたら朝、鼻が通るようになったそうです。
これには患者さんも驚いていました。
これはみんながみんな枕元にスマホを置かなくなると症状が改善するわけではないですが、頭部付近に症状がある患者さんの何割かは改善することがあるのです。
そこから、さらに来られる度にこの患者さんの鼻炎に影響を与えてると思われるストレスを見つけてはアドバイスし、患者さんに実践してもらうようにしました。
この繰り返しで症状は悪いなりに安定してきていたのですが、寒くなって再び症状が悪化してきました。
また、鼻水が垂れてくるようになったそうなのです。
そこで、再度、漢方的な問診をし直し、今の体質改善の漢方薬にプラスαで漢方薬を追加することにしました。
その漢方薬は虚弱なタイプで鼻水が垂れてくるような方に用いるものでした。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
鼻水が一気に垂れなくなったそうです。
今まで病院でも漢方薬を出されたことはあったそうですが、漢方薬で効果を実感したのは初めてだそうです。
今までの治療でどの程度改善したのかお伺いすると・・・
最初の症状を10とすると・・・今は7~6.5だそうです。
まだそのくらいか・・・
だいぶ先は遠いですが、40年以上患ってきたものなのでやはり簡単にはいかないのです。
現在漢方治療を始めて約3ヶ月・・・ものすごく大変ですが、やっと治りそうな感じが出てきました。