腰痛の患者さんが来られました。

この方、以前うちの薬局で手の関節の痛みの治療をして良くなった方なのです。

ただ、今回は腰痛ということで、一般的に腰痛になら鍼灸治療の方が早く治るのではないか?と思って、最初に鍼灸院で治療を受けられていたのです。

ところが、数ヶ月ぐらい治療を受けたのですけれども、思うように改善しなかったため、漢方でも腰痛の治療ができるのか?と言う問い合わせがあって、漢方でも腰痛の治療はできますよ。とお話ししたら、それなら行くということで来られたのです。

確かに、一般的に腰痛の治療というのは、漢方よりも鍼灸の方が即効性があることが多いです。

ただし、老化が原因で起きてくる慢性腰痛の問題や、骨粗しょう症などに伴う腰痛、脊髄分離症などによる腰痛などに関しては、一般の方が思っている以上に漢方薬は効果的なのです。

今回来られた患者さんのように、通常であれば、鍼灸治療ですぐに良くなってもおかしくないのに、なかなか時間かかる場合というのは、漢方が適用することが多いのです。

この患者さんの場合、腰痛の痛みの質というのが鈍痛で右足、ビリビリするような痺れ(坐骨神経痛)が出ていました

まず鈍痛というのは慢性化した腰痛で出てくる症状です。

また、腰痛が原因で起こる下肢のしびれというのも、慢性化した腰痛で出てくる特徴的な症状の一つなのです。

このような症状の場合は、漢方が向いていることが多いのです。

ただ一つ気になったのは、この患者さん、結構体重が重たいので、腰痛の原因になってる可能性があります。

そのため、改善のスピードが通常に比べたら遅い可能性があるのです。

それでも、ご本人は、鍼灸でもなかなか良くならなかったので、漢方でとりあえず治療やってみたいということでした。

そこで、この患者さんに合う漢方薬を探してみることにしました。

漢方治療イメージ

そうすると、この患者さんには、体重の問題で関節の負担の増大して起きている腰痛に用いる漢方薬が合っているのではないか?と最初思っていたのですが、実際にチェックしてみると、老化に伴う筋力の低下などが関係している時の腰痛に用いる漢方薬が合っているような気がしました。

そこで、この老化に伴う腰痛に用いる漢方薬をとりあえず2週間飲んでいただくことにしました。

そして2週間後の今日、漢方相談に来られて際に賞状をお伺いすると・・・ 腰痛は随分楽になったそうです。

前回来られた時には腰痛がひどくて、体を左右に揺らしながらでないと歩くことができなかったそうなのです。
このような歩き方をしていたため、なかなか前に進まなかったそうなのですけれども、今は左右に体を揺らさなくても歩くことができるようになったそうです。

そのため、スタスタ歩けるようになったそうです。

まだ痺れは残っていますけれども、前回よりも少し減ってきているそうです。

前回出した段階で、漢方薬は合っているという自信はあったのですけれども、自分が思って以上に改善していて、それは逆にちょっと驚きました。

とりあえず、全体的に症状が改善してきているので、このままの薬で、また約2週間様子を見ていたことにしました。

良かったです。

ホッとしました。