娘さんの紹介で80代の患者さんが来られました。

症状は腰痛です。

この腰痛になって4~5年経つそうです。

痛みの質は鈍痛、にがるような痛みだそうです。

この痛み、天気の悪くなる前日に悪化しやすい傾向があるそうです。

また、じっと長い間立っているとだんだん痛く、しんどくなってくるそうです。

そのため、腰を曲げた方が楽で、手押し車を使って使ってどこかに買い物に行くのは全く問題が無いそうです。

また、座っている姿勢だと全く問題が無く、とにかく立ち上がると症状が出てくるそうです。

そのため、このまま腰が曲がっていくことをとても心配されていました。

そこで、この患者さんに合う漢方薬を探してみると・・・なかなか見つからず、結局一番良いと思ったものは筋肉のコリをほぐす外用剤でした。

それを2週間分お出しして様子をみていただくことにしました。

それから2週間後来られた際に様子を伺いすると・・・

ご本人曰くあまり変わっていないとのことでした。

しかし、私がみると改善していると感じました。

というのも前回痛かった場所と、今回の痛みの部位は異なるのです。

痛い場所が変わったことをお伝えすると、確かに場所は変わったと言われていました。

場所が変わっても痛いことには変わりがない様でした。

そこで、再度この移動した場所の痛みの部位に合う漢方薬を探すと・・・

腰痛治療イメージ

漢方薬でなくビタミンが不足しているように感じました。

そのため、今回は漢方薬を出さず、ドラッグストトアーでビタミンのサプリを購入していただいて、また2週間後に来ていただくことにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

また痛みの場所が変化していました。

今回はそのことを患者さんも自覚していました。

そして、足の腫れが引いてきたそうです。

たぶん、その話はされていなかったと思うのです・・・

よくあることですが、いっぱい症状があっても一番気になるところに意識が集中して、そこだけのご相談をされるのですが、そこが良くなると次々と症状を言われる方、結構おられるのです。

漢方薬ではないですが、服用されることで身体の状態が変わるというのを実感されたようです。

この過去の2つの治療を行ってやっと本体が出てきました。

腰付近の過緊張とビタミン不足で漢方的な腰痛の本当の原因が分かりづらくなっていたのです。

漢方的な腰痛の本当の原因は腎虚(じんきょ)でした。

腎虚(じんきょ)を簡単に言い換えれば老化です。

当たり前じゃん!ということで最初から予想していたのですが、最初は本当にわかりづらかったのです。

そこで、腎虚(じんきょ)の漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われる漢方薬を2週間分お出しして様子をみることにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

腰が少し楽になったそうです。

再度チェックしてもやはり合っているので今回は同じ漢方薬を1か月分お出しして様子をみてもらうことにしました。

そして、1か月後に来られた際に様子をお伺いすると・・・

もう少し良くなっていました。

ただ、自分が思ったほど患者さんは改善していないように感じました。

しかし、一緒に来られていた娘さんが言われるには、今までは手押し車なら長距離移動できたが、何も持たず歩くと、ちょっとの距離で腰が痛くなっていたが、何も持たなくても以前に比べ随分歩けるようになってきているとのことでした。

私が再度チェックしてみても、やはりこの漢方薬で合ってる気がするので再度1か月分お出ししました。

この腰痛の原因は腎虚(じんきょ)≒老化なので完治にはまだまだ時間はかかりますが、少しめどはついたのかな?と思います。

ひとまずですが、ホッとしています。