このページは広島市にある漢方薬局ハーブスが体重減少性無月経に関しての情報サイトです。
ここでは体重減少性無月経のについて、起こしやすい年齢、性別、原因やその仕組み、対処法、治療法などについて書いています。
体重減少性無月経について
体重減少性無月経はその名の通り体重が急激に減少することによって生じる無月経の事です。
体重減少性無月経を起こしやすい年齢・性別
体重減少性無月経を生じやすい年齢と性別にはある傾向があります。
それは思春期の女性に多いということです。
思春期というのは第二次性徴の時期で、生殖器などの器官がまだ未発達であり、この時期に徐々に発達してゆく時期であるということと、
多感な時期で、純粋でもあるため、一つの事を信じたらまっすぐ直線的に進みやすいという傾向も持っているからだと思います。
体重減少性無月経の原因
ではなぜ体重減少性無月経は起きるのでしょう?
その過度な体重減少はどうして起きてしまうのでしょう。
それは大きくは2つに分けられると思います。
一つは食事の摂取量の減少です。
この食事の摂取量の減少を起こしてしまう原因は大きくは2つあります。
過度なダイエットによる体重減少
思春期の女性に多い原因です。
やせる=かわいい、美しいという自分の中の思い込みでもともとの体重が平均もしくは平均以下であったとしてももっと痩せればもっとかわいく、美しくなりたい。
もしくは食べるとブサイクに思われてしまうという強迫観念(こっちの方が多いのかもしれません)
このような原因が引き金となって、急激な体重減少が起きてしまうことが大きな原因の一つと考えられます。
神経性の摂食障害
これは心因性のものが多いですが、上記のような過度なダイエットが引き金となって生じるケースもあります。
また現在の環境になじめずに生じるケースやいじめなどによる問題などによっても生じる場合があります。
原因はさまざま考えられます。
この摂食障害は拒食による極端な体重減少を生じる場合もありますが、拒食と過食を繰り返すケースもあります。
ただ多くの場合拒食と過食を繰り返す方の場合は体重減少性無月経にはならない可能性が高いです。
過度な運動による体重減少
新体操やフィギュアスケート、マラソン、水泳、バレーなどスポーツのなかでも体重を極端に増やすことができないスポーツでかなり熱心に取り組んでいる場合には生じることがあります。
体脂肪率の低下が原因となっていると考えられます
体脂肪・体重と無月経の関係
短い期間に体重が5kg減少した場合、あるいは体重の1割減少した場合などはかなりの確立で無月経になります。
また、体脂肪率が17%以下になってくると特に無月経になる確率は高まります。
そのため基本的には女性は体脂肪率が20%は切らないように心がける必要があると思います。
では何パーセント以上あればいいのか?
ということになると思うのですが、これは出典となるほんなどによって若干異なります。
大体のところだと22%~25%以上ある方が望まししいはいうことは間違いなさそうです。
なぜ体重が減少すると無月経となってしまうのか?その身体の仕組みとは?
ヒトの身体は生命維持を最優先として働いています。
体重が減少した原因はご自身ではもちろんわかってるわけですが、身体の生命維持を行っている原始的な脳の部分(間脳)などにはその理由はわかりません。
わかるのは極端に摂取カロリーが減って生命の危機に瀕しているということです。
そのような状況になるとどうなるか?
そうするとヒトは生命を維持する最低限のことを行うようになって今うのです。
生殖器の発育や排卵などは次の世代を残してゆく大事な生命活動の一つですが、それと比べてもその個体自身の生命維持を最優先します。
そのため排卵や整理など余分なカロリー消費がおこらないようになってしまうのです。
急激に体重の1割もしくは5㎏の減少が起きた場合に本来、視床下部(ホルモンのコントロールの中枢)から出されるGnRH(ゴナドロトピン・リリーシング・ホルモン:実質的に排卵をコントロールしている脳下垂体前葉から排卵を促すために出される卵胞刺激ホルモンの分泌を促すホルモン)の分泌が抑制されるのです。
排卵が起きなくなってしまうのです。
まずすべき体重減少性無月経の対処法
体重減少性無月経の対処法として最も有効なのは体重をもとに戻すことです。
そのためには食べることが重要ですが、単純な食事指導だけでは対処できないケースもあると思います。
なかなか難しい問題だと思います。
しかも体重を元に戻し方からといって必ずしも月経が順調に回復するとは限らないのです。
それでもやはり体重を戻すことが最重要です。
体重を戻した場合、どのくらいの確立で生理が再開されるのかについては、なかなかはっきりとしたデータを見つけることができませんでした。
とにかくもともとのご自身の体重に戻すことが先決です。
ただし、もともとが一般の女性と比べて極端に少なかった場合は標準体重の90%程度の回復が必要なようです。
これが70%程度の場合排卵が回復しないようです。
体重減少性無月経が続くとどうなるか?
一過性での体重減少性無月経であれば、体重が戻れば問題なく元に戻るケースもありますが、これが続いてしまうと、女性としての第二次性徴そのものが止まってしまうため、乳房や子宮や卵巣の発育不全、などがおこります。
身体の体形も女性特有のの丸みを帯びた体つきにならず、いわゆる幼児体形のままとなってしまったり、子宮は大きくならずそのまま止まったり、卵巣が未発達で卵胞を育てることができない状況になり最悪、妊娠することができない状態(早発閉経などの不妊症)になります。
この不妊症は成人になってから生じる不妊症とは異なり、病院で不妊治療を行ったとしても妊娠できないような重度の問題となるケースが多いのです。
排卵(生理)が来ない月が続いたら
まず産婦人科を受診すべきです。
年齢的に生理が来ないのは、非常に少ないですが妊娠してる可能性もあるので、そういった部分も含め、きっちりとした検査を受けられることをお勧めします。
体重減少を伴わない生理不順の場合は年齢が上がってくることで自然に回復するケースもあります。
そこらへんのこともすべて含め、現在の状況を正確に把握するうえでも産婦人科を一度受診してみて下さい。
病院での体重減少性無月経の治療法
体重減少を回復することが最優先となりますが、合わせて無月経の対応(エストロゲンなどのホルモン補充やカウフマン療法)や体重減少性無月経の随伴症状である骨粗鬆症なども合わせて行われる場合が多いです。
中でも体重の回復が最も重要で、体重が早期に回復した場合80%以上の方が無月経から回復しています。
漢方薬による体重減少性無月経の治療
体重の回復が最優先で、まずは生活のアドバイスなどなどを行う。それと並行して、漢方的な原因に対して治療を行います。
多くの体重減少性無月経の場合は、栄養障害が原因となって発症している場合が多いため、漢方的にいえば血虚、気虚、腎虚の状態となっている可能性が高いです。
そのため、あとはその方の身体の状態に応じて補血、補気、補腎などの治療を行ってゆきます。
体重減少性無月経に用いる代表的な漢方薬
血虚に対して
四物湯系統
気虚に対して
六君子湯
腎虚に対して
鹿茸製剤など