早発閉経になる原因は現在、西洋医学的にははっきりとはわかっていません。
そのため確立した治療法がないのが実情です。
漢方的には早発閉経は閉経を早くに迎えているわけですから、閉経を遅らせるような治療法になります。
ではなぜ閉経するのか?について漢方的な考え方を書いてみたいと思います。
まず月経についての漢方的な考え方です。
月経とは生理のことですが、生理とは血が出ることです。
閉経では月経つまり生理が来なくなるわけですから、血が出なくなります。
漢方ではこの出す血がなくなったから生理が来なくなると考えるのです。これを漢方用語で血虚といいます。
血虚とは血の不足を表す言葉です。
そのため貧血も血虚になりますが、貧血の人が早発閉経になる訳ではないので、西洋医学の貧血と漢方用語の血虚は全く同じ意味ではないのです。
漢方的な解釈としては、”出す血が無くなるから閉経になる”ということなのです。
でもこの血が無くなるという意味は先ほども書きましたが貧血とはちょっと違いますよね。
この血の意味の中には女性ホルモンの概念が入っているのです。
つまり出す血が無くなるの「出す血」を女性ホルモンに置き換えてみるとわかると思います。
「出す血」が無くなるから閉経になる→「女性ホルモン」が無くなるから閉経になるということになります。
ではなぜ出す血が無くなるのか?一つには年齢的なものがあります。
もともと持っている血には限りがあり、そのもともと持っていた血を使い果たすと血が無くなって閉経になるという考え方です。
この持っている血を女性ホルモンに置き換えるとわかると思います。
でも早発閉経の患者さんはそれほど生理は起こしていません。つまりあまり血は使っていないのです。
でも閉経状態になってしまうわけです。
これには大きく2つのことが考えられます。
もともと持っていた血が少ない場合と、もともとは血を持っていたが、血を別の理由で消耗してしまった場合です。
もともと持っていた血が少ないというのは、親からもらたものが少ないというような意味で、先天的な問題で卵巣や子宮の働き、女性ホルモンの働きが弱いというような意味合いです。
そのため自分自身で気を付けてどうこうできる問題ではない場合もあります。
もともとは血はあったのに別の理由で消耗してしまった場合は努力で何とかなる可能性が高いですよね。
このもともとは血があったのに別の理由で早発閉経になってしまったケースが多いのが10代・20代の方なのです。
この原因で多いのが無理なダイエットなのです。
無理なダイエットによって身体の血を消耗してしまって生理が来なくなることは多いですし、治療は早発閉経の中でも難しいケースが多いのです。
そのためダイエットを始めて生理が早くなったり、遅くなったりするようであれば、食事制限によるダイエットはやめたほうがいいと思います。
軽い気持ちで始めたダイエットでずっと後悔し続けている患者さんがおられるのです。
それ以外に多いのがアスリートで体脂肪率が極端に低くなっている方、ストレスで拒食になってしまった方です。
いずれの方にも共通するのは栄養状態を改善すれば早発閉経の診断が出ていたとしても改善する可能性はあるということです。
しっかり食べて体重や体脂肪率をもとの状態まで戻すことが最も重要なことなのです。
ぜひぜひ気をつけてください