患者さんの紹介で不眠症の患者さんが来られました。

この方、寝入りは良いそうですが、必ず途中で起きて、目が冴えて眠れなくなるそうなのです。

そのせいもあってか?目を開けておくのが辛い、眠たすぎて気分が悪くなるなどの症状があるのです。

この症状若い頃からあったそうなのですが、特にこの2~3ヶ月ひどいそうなのです。

これ以外の症状に手足のだるさが常にあるそうです。

以前、調子の良いときは、23時~5時くらいまで途中で起きることなく、眠れていた時期もあるそうですが、よくよく話を聞くと、その時にも、熟睡感はなく、倦怠感はあったそうなので、途中で起きることだけが原因ではないのかもしれません。

それ以外の症状についてお伺いすると、パニック障害や不安感、動悸、胸苦しい、めまいなどの症状はありませんでしたが、喉のつまりは半年前にあったそうです。

またホットフラッシュやほてり、などの更年期障害の症状はないそうです。

そして夢を見るか見ないかの話をお伺いすると夢は全く見ないそうです。

不眠治療イメージ

病院で不眠症を治療する場合、眠れなければ入眠剤、途中で起きるようであれば睡眠薬が出されるのが一般的ですが、これらの薬は症状を抑えるだけで根本的に治す薬ではありません。
睡眠薬をやめればまた眠れなくなります。

私の漢方治療の考え方はコレとは全く異なります。
私の薬局では患者さんの眠れなくなった原因は、元々の患者さんの体質や性格がもとになって起こると考えます。

例えば不安症になりやすい人というのはもともとが心配症であったりするのです。
元々が非常に楽天的な方は心配症の方に比べると不安症になりにくいのです。

そのため、私の薬局では不眠症を始めとする精神的な問題を治療する際には、その患者さんのある程度の性格的な特徴を把握して、それに見合った漢方薬をお出しています。

そうすることによって漢方薬をある一定期間服用していただくと漢方薬を飲まなくても不眠症の症状などがもう出なくなることが起こるのです。

これが体質改善ということです。

話が少し脱線したので、患者さんの話に戻します。

この不眠症の患者さんの目を開けておくのが辛い、眠たくて気分が悪くなる、寝入りは良いが、途中で起きて眠れなくなる、夢は見ない、不安感やパニックはなく、更年期障害もないという、これらの症状を総合的に判断すると、理屈っぽいタイプなのではないか?と思いました。

そこで、そういうタイプに用いる漢方薬のの中から一番合いそうなものを選んで、お出しすることにしました。

そして、二週間後に来られた際に、症状をお伺いすると、まだ途中で起きるそうですが、いつの間にか寝ているそうです。そして、ここ2週間は夢をみることがあるそうです。

また、この患者さんの主訴である目を開けておくのが辛い、眠たすぎて気分が悪くなるなどの症状は無くなったそうです。

漢方薬を2週間服用してのこの症状の改善は著効といっていいと思います。

ただし、これで治ったわけではありません。

漢方薬を飲まなくなっても、この状態を維持する身体に体質改善する必要があります。

それにはまだ数カ月~1年(患者さんによってストレスの度合いやご自身の養生の仕方によって改善するスピードが異なります)かかります。

でもとりあえず、改善しているので方向性としては間違いなく合っているので、また2週間後に来ていただくことにしました。