不眠症の患者さんが来られました。

この方、4~5年前に不眠症の漢方治療をして、眠れるようになったので、卒業された方です。

以前、漢方相談に来られた際、途中でパチッと目が覚めると、眠れなくなるということで、ご相談に来られたのです。

その際は自律神経を調整するような漢方薬で徐々に良くなっていったのです。

今回、お話をお伺いすると、ストレスもおありで、ここ2週間くらい眠れない日が続いて直近5日くらいは朝まで眠れないそうなのです。

そこで、まずは我慢強いタイプの人のストレスを緩和するような漢方薬を1週間分お出ししてみましたが、全く聞かないとのことでした。

そのため、次は気が動転しているような人に用いるような漢方薬を1週間分お出ししてみましたが、微妙に良いか?変わらないか?くらいということでした。

そこで、今回は今までの不眠症とは違うのではないかと思い、一から再度問診しなおして、考え直してみることにしました。

そうすると、他に特別な症状はなかったのですが、年齢から考えると、更年期障害が不眠症として出てきている可能性を考えました。

実際、女性ホルモンのバランスの表れるツボの反応も出ているので、女性ホルモンが乱れているのは間違いないと思いました。

そこで、更年期障害に用いる漢方薬に変更してみました。

漢方治療イメージ

そして、そのお薬で1週間様子をみてもらうことにしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

1日だけですが、熟睡できたそうです。

そのため、同じ漢方薬で様子をみてみることにしました。

その後、1週間後とに来られているのですが、パチッと起きて眠れない日は減ってきて、うとうとする日が増えてきたそうです。

うとうとする日も厳密にはウトウト、パチッ、ウトウト、パチッを繰り返すそうですが、朝まで眠れないということは無くなってきたとのこと。

そのため、時間の経過とともに、最初は眠れない⇒眠れる日もある⇒眠れていると思う⇒眠れているに変わってきました。

眠れていると患者さんがしっかり自覚するまでに約2か月かかりましたが、今のところ順調です。

更年期障害が不眠症という症状以外に出ないこともある。

そういうこともあるということです。

私も勉強になりました。