患者さんが来られました。

この患者さんは不妊治療のため漢方相談に来られているのです。

そして、この方は最初に漢方相談に来られた段階で、すでに早発閉経ということで、卵巣機能が著しく低下していました。

そのため、この患者さんには普通の不妊治療の患者さんよりも、少し多くの養生法を実践するようにお願いしていました。

その努力もあり、漢方相談に来られてから卵巣機能は徐々に改善していきました。

その改善と共に、実践してもらう養生法も少しずつ変化していきました。

そして、最近は時間の経過に伴って、40歳も過ぎ、加齢に伴う問題とのせめぎあいとなってきています。

その患者さんから、最近、胃のムカつきが気になるというご相談を受けたのです。

通常、胃がムカつく場合、4つの可能性を考えます。

胃そのものの問題、ストレスが影響している場合、消化酵素を出す膵臓の問題、胆汁を出す胆嚢・胆管の問題です。

そこで、東洋医学的なツボの反応を使ってこれらのどの原因で胃のムカつきが生じているのかチェックしてみることにしました。

そうすると、胃そのものの問題ではなく、ストレスも関係せず、すい臓でもなく、胆管に問題があるように感じました。

胆管に問題が生じている場合、まず2つの可能性を考えます。

一つは自分の出している漢方薬の副作用の可能性、その次に脂質の過剰摂取の可能性です。

そこでまず、自分の出している漢方薬が卵管に影響していないかチェックしました。

そうすると、問題ないように感じました。

そこで次に、最近、脂っぽいものを食べる機会が多くなかったか?をお伺いしました。

しかし、患者さんは特に心当たりが無いとのことでした。

そうすると、次に可能性が高いのがサプリメントの影響です。

ただし、この方は通常、サプリなどを追加する場合、事前に相談があるので可能性は低いと思ったのですが、一応、最近、サプリメントを追加していないか確認してみました。

そうするとそれも特に心当たりがないということでした。

そうすると、次に可能性があるのが漢方薬に近い働きのある食べ物を毎日欠かさず摂取している場合です。

食べ物の中には薬(漢方薬)に近い効能を持つものがあります。

そういったもので自分に合わないものを継続して摂取するとストレスにあり調子を崩すことがあるのです。

そこで、少量でもずっと毎日欠かさず食べているものが無いか聞いてみました。そうすると・・・

黒ゴマを食べているそうです。

黒ゴマは最初の不妊治療の食養生のお話で毎日欠かさず食べるようにお願いしたものでした。

しかし、徐々に卵巣機能が改善してきたこともあり、黒ゴマはもう摂らなくてよいというお話を随分前にしたのです。

患者さんの話ではその黒ゴマが大量に残っていたので結果として毎日欠かさず食べていたのだそうです。

ご存じない方も多いと思うのですが、実は胡麻は漢方薬の中に入っている生薬の一つなのです。

そこで、この患者さんにこの黒ゴマが合っているかどうかをチェックしてみると・・・

合わない感じです。

そして、これが卵管にストレスを与えているように感じました。

そこで、これから1週間一切黒ゴマを摂らないようにお願いしました。

そして、1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

胃のムカつきはなくなったそうです。

本当に黒ゴマを止めて数日であれよあれよという間に消えたそうです。

患者さんも驚いておられました。

意外にこんなことがあるのです。

『過ぎたるは及ばざるがごとし』なのです。