体外受精の40代の成功率について

うちの薬局に来られる患者さんの中にも、体外受精というのは不妊治療を始めたくらいの人にとっては費用は高いけれどもやれば必ずできる魔法の治療法のように思われている方もおられます。

しかし実際にはそれほど簡単な話ではないのが実情です。

ここでは実際体外受精でに実際にどのくらい妊娠するのかまた、出産まで至るのがどのくらいの方になるのかざっとお話ししたいと思います。

まずは年齢別妊娠率です。

成功率を妊娠率として考えるてみます。

このデータは約5年前の日本産婦人科学会の資料をもとに書いていますので最新ではないですが、びっくりするほどの変化もないですから、ある程度の目安にはなると思います。

体外受精の年齢別妊娠率

20代の体外受精の妊娠率(成功率)

20代の体外受精の妊娠率は平均するとおよそ41%~42%の間くらいになっています。

年齢で20代前半の妊娠率と20代後半の妊娠率を比べると微妙に20代後半の妊娠率の方が高いのが若干不思議ですが、

それでも1%も違いはないので誤差値かたまたまサンプルとしたデータに若干偏りがあったのかもしれません。

30代の体外受精の妊娠率(成功率)

30代の体外受精の妊娠率を平均すると35%前後です。

しかし、この30代は前半の年齢と後半の年齢では10%近くの差があるため平均で出すよりも個別に書いた方がいいかもしれません。

これが30代の一つの特徴といえるかもしれません。

ちなみに33歳で約37%の妊娠率が、5歳年を取っただけの38歳では30%を切って約29%まで落ちます。この値はほぼ体外受精の年齢もすべて含めた平均値に近い値です。

40代の体外受精の妊娠率(成功率)

40代の妊娠率は、おそらく平均値を出す意味がない気がします。

それくらい年齢によって差が出ます。

それでも40歳の妊娠率は24%でそこそこあるという考え方もできますが、一方で先ほど書いた38歳の妊娠率と比べるとわずか2歳で5%も下がっているのです。

つまりこのくらいの年齢になると1年1年がとても重要だということが言えると思います。

そして43歳になると約12%、45歳になると10%を大きく割りこみ約7%まで下がります。

50代の妊娠率(成功率)

50代の方も排卵がある限りは妊娠する可能性があります。

しかしその確立は恐ろしく低くなります。50歳の妊娠率は1.7%です。

確率的には60人の体外受精をされてやっと一人妊娠できるレベルです。

相当難しいといえると思います。

このように体外受精での40代の成功率を妊娠率と考えるのであればこのような結果になります。

ここからいえることは見てわかるように、40代と一口に言っても、その妊娠率は40歳と45歳では3倍以上の開きがあります。

そのため40代の体外受精の成功率に関しては40代というくくりで考えるよりは、厳密に四十何歳なのか?で体外受精の成功率を見ていった方が良いのではないかという気がします。