一週間前に患者さんの紹介でめまいの症状の方が来られました。

この患者さんのめまいはお風呂に入って髪を洗う時だけクラクラとするような症状が出て、上を向くと元に戻るそうです。

病院でめまいの薬も出してもらったそうですけれども、あまり効いた気がしないため相談に来られたのです。

最初は単純のめまいだと思っていたのですけれども、よくよく話を聞くと単純なめまいではないことに気づきました。

特に気になった症状というのが、夏限定で息苦しさがある。

右の耳だけいつも閉塞感がある。

そして、毎日ではないそうですけれども、不安感があり、これは家族の人が一緒にいても治らないことがあるそうです。

そして3年前にはパニック発作も起こしたことがあるそうです。

そして喉のつまりは毎日あるそうです。

さらに生理前になるとパニックはひどくならないそうですけれども喉の詰まりはひどくなるそうです。

これらの話を聞くと、とても普通のめまいではないと思えるのです。

そこで耳付近にある、めまいのツボの反応チェックしてみたのですが、めまいのツボには反応が出ていないのです。

つまり、耳(内耳)が原因のめまいではないと考えられるのです。

これらのことを考え合わせると、精神的な問題から、めまいと関連することの多い喉のつまりの問題や、耳の詰まりの問題とめまいが関連していないかチェックしてみました。

しかし、今、チェックした時点でめまいの症状がないため、正直はっきり分かりませんでした。

そこで、喉の詰まりの問題と耳の詰まりの問題のどちらが症状的に重いのか?をツボの反応でチェックしてみました。

そすると、喉のつまりの問題の方を強く感じました。

そこで、喉のつまりに合う漢方薬を探してみました。

その結果、パニック障害にも使うような漢方薬が今のこの方には合うように感じました。

そして、この漢方薬はめまいにも使うことのある漢方薬でもあったのです。

そこで試しにこの薬を一週間お出しして、様子を見ていただくことにしたのです。

そして一週間後に来られてお話を伺いすると・・・めまいの方は、随分楽になってきているという話でした。

しかし、喉のつまりは全く変わらないそうです。

実際、喉のつまりは、ツボでチェックしても非常に強い反応が出ていて、急には改善しないだろうとは思ったのですけれども、一週間服用しても全く改善しないというのも割と珍しいことなのです。

恐らくこれが、この患者さんの一番根本的な問題なのではないかと思い、このまま薬は変えずに継続で様子を見ていただくことにしました。

めまいはもうすぐ治りそうですけれども、喉のつまりは治るのにまだまだかかりそうな気がします。

でも、このように最初に主訴として来られた症状はすぐに治って、その奥に本当に根本的な問題が隠れていて、それを治す方が大変だったという話は意外にあるのです。

めまいの漢方療法についてはこちら