このページは広島市の西区にある漢方薬局ハーブスのステロイドに関する情報ページです。
ステロイドの生理作用と薬理作用について書いています。
ぜひ参考にしてください。
身体の働きとステロイドの生理作用・薬理作用
ここでステロイド剤とは副腎皮質ステロイドのことです。
そのなかでもグルココルチコイド(糖質コルチコイド)をもとに作られた薬剤が現在のステロイド剤といわれるものです。
ステロイド剤の生理作用・薬理作用の中で最も重要なのが免疫抑制作用と抗炎症作用です。
この抗炎症作用の主な作用点は種々の炎症系のサイトカインの産生抑制と、アラキドン酸代謝に関わる種々の酵素の発現抑制によるプロスタグランジンの産生抑制です。
またステロイドの作用はその投与量とも関係します。
例えば抗体産生抑制は抗炎症作用に比べて用量が必要になります。
たとえばプレドニンで抗体産生抑制には30mg以上必要ですが、抗炎症作用であれは5~10mgでも効果が認められます。
ステロイドの糖代謝における生理・薬理作用
末しょう組織の糖利用↓
肝臓の糖新生↑、グリコーゲン合成↑、糖耐性↓
ステロイドのタンパク代謝における生理・薬理作用
末しょう組織のタンパク同化↓
肝臓酵素誘導↑
尿中のクレアチン・尿酸排泄↑
血清中のアミノ酸↑
ステロイドの脂質代謝における生理・薬理作用
脂肪分解↑↓(部位によって異なる)
血中脂肪酸↑
血中コレステロール↑
ステロイドの電解質代謝に及ぼす生理・薬理作用
血清K↓ K排泄↑ 血清Na↑ アルカローシス↑
ステロイドの血液成分に及ぼす生理・薬理作用
総白血球数↑ 好酸球↓ 好塩基球↓ リンパ球↓赤血球↑ 好中球↑ 血清タンパク↑
ステロイドの神経系に及ぼす生理・薬理作用
中枢神経:興奮性↑うつ状態↑ 味覚↓ 臭覚↓
ステロイドの循環器系に及ぼす生理・薬理作用
心臓:収縮力↑ 拍動数↑ 血管収縮↑
ステロイドの消化器系に及ぼす生理・薬理作用
胃液分泌↑
ステロイドの内分泌系に及ぼす生理・薬理作用
ACTH・成長ホルモン・甲状腺刺激ホルモンなどの分泌↓ インスリン分泌↑
ステロイドの結合組織に及ぼす生理・薬理作用
骨・軟骨・皮膚のコラーゲン産生↓、ムコ多糖合成↓
ステロイドの免疫系に及ぼす生理・薬理作用
胸腺・リンパ節重量↓サイトカイン産生↓抗体産生↓ 細胞性免疫↓
ステロイドの炎症反応に及ぼす生理・薬理作用
血管透過性↓ 白血球遊走↓肉芽腫形成↓ 種々の炎症性サイトカイン↓
アラキドン酸代謝に関わる酵素↓