ステロイドとの付き合い方について

ステロイドは使って良い場合がある

ステロイド外用剤とどう付き合うのか?ステロイドは是か非か?よく聞く問題です。
当薬局では絶対だめ!!ではありません。必要な場合もあると考えています。アトピーの原因はともかくとして症状は火事にたとえるとわかりやすいのです。
火事は早めに消した方が早く消えるのです。当たり前です。もし、今までステロイドでコントロールできていて、何かの記事を読んで急に不安になってステロイドをやめて症状悪化したのなら、とりあえずつけて抑えたほうが良いです。小火で消すのが効率的なのです。それが消火器を使おうと水を使おうと良いのです。しかしもし消火器を使うのであれば後始末をする必要が出てくるのです。

日本の病院で出るステロイドは強いものが多い

ステロイドはうまく使用すれば問題ないと思いますが、日本では強めのステロイド剤がでる場合が多いのです。これも短期であれば全く問題は無いと思います。でも中には症状の軽重の変化をチェックせず、強い薬を持続的に出し続けているケースがあります。そういう場合は軽くしてもらうよう相談するか、そういう対応をしてもらえる病院を探すかされることをお勧めします。

ステロイドは多くの人が塗りすぎです

ステロイドはべったり塗ったからよく効くというものではありません。むしろ効果を持続させたいなら、患部のみ薄く塗ることです。

ステロイドそのものが皮膚炎の原因になることがある

ステロイドはコレステロール骨格なので時間が経過すれば酸化コレステロールになります。この酸化コレステロールは2次的に炎症を引き起こす可能性があるのです。これを防止するのには何種類か方法が考えられます。コレステロールが酸化しないように、抗酸化作用の物質を常にとることがその一つです。

ステロイドが効かなくなってきたら

上記のように時間がたつとステロイドは効かなくなることがありますが、まず効かなくなったら、患部を清潔にし、前のステロイドをきれいに落として使用してください。ステロイドによって局所の免疫能が低下して慢性感染を起していることもあります。その際、病院であまり診察せず強いステロイドが出るようなら病院を変えた方が良いでしょう。

ステロイドは徐々に減らす

炎症が治まればステロイドは必要なくなるのです。そうなればまずステロイドのレベルと量を減らしてゆきます。炎症の状態と相談しながらです。もしステロイドをある一定以下に減らすと症状が出てくる場合は問題が残っているので、それを漢方薬やその他の方法で取り除きながら薬を減らしてゆくのです。

ステロイドをやめたら

非ステロイド性の軟膏およびセラミドやワセリン、スクワレン、馬油、オリーブオイル、アトピー用化粧品など自分にあったもので保湿、皮膚の保護を行うのです。

ステロイドの副作用について

ステロイド剤の共通する副作用は免疫抑制による感染症の発生・憎悪・悪化などです。それ以外には糖尿病や高血圧、脂質異常症を引き起こし、さらに直接の血管障害性があるといわれています。その結果として動脈硬化を引き起こすといわれています。また長期使用では骨粗鬆症も進むといわれています。

特に注意すべきステロイド剤の主な副作用

感染症の誘発憎悪
骨粗鬆症・骨折、骨の発育不良
動脈硬化病変
副腎不全
消化管障害(消化管からの出血・潰瘍、穿孔、閉塞など)
糖尿病の誘発
精神神経障害(精神変調、うつ状態、けいれん)

ほかの注意すべき副作用

生ワクチンによる発症
不活化ワクチンの効果減弱
白内障、緑内障、視力障碍、失明
中心漿液性網脈絡膜症、多発性後極部網膜色素上皮症
高血圧、浮腫、うっ血性心不全、不整脈、循環性虚脱
脂質異常症
低カリウム血症
尿路結石、尿中カルシウム排泄増加
ミオパシー、腱断裂、膵炎、肝機能障害

高頻度の軽度副作用

市場脂質沈着(中心性肥満、満月様顔貌、眼球突出)
多毛、皮膚線条、皮膚萎縮、皮下出血、発汗異常
月経異常(周期異常、無月経、月経過多、過少月経)
白血球増加

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