紹介で患者さんが来られました。

もともとこの患者さん、気落ちするのと、気合を入れないと学校に行けないらしく、学校に行くまでにすごく時間がかかっていたそうなのです。

それでもちょっと前までは、病院で薬を出してもらいながら、なんとか頑張っていたそうなのですが、1か月前くらいから、踏ん張りがきかなくなり、ご相談に来られたのです。

また、花粉症の症状もあり、これも今まで病院でお薬を出してもらっていたそうなのですが、これもなぜか効かなくなったためそれも合わせでご相談されたいとのことでした。

そこで花粉症のお薬と、心の問題に用いる漢方薬の中からこの患者さんに合うものを探してみました。

そうすると、花粉症にしろ、心の問題にしろ、どちらも病院で出されていた漢方薬は惜しい感じでした。

少し、修正を加えて漢方薬をとりあえず2週間分出してみることにしました。

そして、2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

感情の浮き沈みの激しさが漢方薬を服用しはじめてから改善したそうです。

それから眠れるようになったそうです。

また目の周りの赤味が減ってきたそうです。

鼻の方はまだ少し症状があるそうですが、ひどくはなくなったそうです。

そこで再度薬をチェックしてみたのですが、まだ合っていると思われたので、同じ漢方薬で様子を見ることにしました。

漢方治療イメージ

また、2週間後に来られた際には、さらに情緒は安定し、目の周りの赤身は減り、鼻水に関しては朝は出なくなったそうです。

そこで、また同じ漢方薬で2週間様子を見てもらうことにしました。

そして、また2週間後には鼻水はほぼでなくなったそうです。

情緒も安定しているそうです。

そして、この花粉症に関して言えば服用から約2か月で必要が無くなったため、一旦終了することにしました。

そこで、それ以降は心の問題に対応する漢方薬だけを服用していただきました。

この患者さんの場合、この心の問題の漢方薬も服用3か月あたりから減薬し始めました。

そしてこの漢方薬は服用から約5か月で終了しました。

ただし、この漢方薬によって当初あった症状は随分改善したのですが、べつな症状が出てきました。

その症状に対応するため、別の漢方薬を出すことになりました。

この漢方薬に変えてからまた情緒は安定し始めたのですが、またしばらくすると調子が乱れるようになったため、また漢方薬を変更して様子を見ていただくことにしました。

そして、またしばらくこの漢方薬で安定していたのですが、また漢方薬がずれてくると、状態が悪くなる感じでした。

そのため、また漢方薬を修正する。このようなことを何回も繰り返しました。

気か付けば、1年が経過していました。

ところが、1年を経過してしばらくしてから、情緒的な乱れは結構あったのですが、漢方薬を変更しなければならないのは無くなりました。

それからも2週間間隔でご相談に来られ、2年弱もかかってしまいましたが、無事漢方薬を卒業されたのです。

今でも、全く心が乱れないか?と言えばそんなことはないと思います。

それは普通の人だって、日常、生活していて全く心が乱れない人なんていないと思うのです。

何より、この患者さんに漢方薬はもう必要ないと思ったのは、『自分の感情を持て余すことが無くなった』ということです。

この患者さんに対して、ものすごく心の成長を感じましたし、それは揺るぎないもののように感じたのです。

そのため、また何かあれば連絡してもらうことで、漢方薬は終了としたのです。

長くなってしまいましたが本当に良かったです。