以前、不妊治療で妊娠された患者さんが別件でご相談に来られました。

今回の症状をお伺いすると蓄膿(副鼻腔炎)だそうです。

この症状、実は高校時代からあったそうなのですが、今まで我慢していたそうなのです。

特に約10年前から悪化したため、病院で治療を受けていたのだそうです。

病院で受けていた治療は減感作療法ということでした。減感作療法はアレルギー反応を押さえるために行う治療法です。

この減感作療法は上手く行けば治る人もいるのですが、もともと治療は皮下注射を病院で1週間に2回受け続けて、最終的には月に1回程度まで減るのですが、これを3年~5年続けないといけないのです。

最近は舌下錠でも行えるようになったようですが、これは自分で毎日服用する必要があり、治療期間は同様に3~5年なのです。

それを受けれても蓄膿(副鼻腔炎)の症状は改善しなかったそうです。

それ以外にも抗アレルギー剤や複数のサプリメントを服用されていました。

それらをやって現在の症状はというと、日中はそれほどではないそうですが、夜寝ている間に鼻が詰まってしまい、口呼吸になって朝になったら喉がカラカラになっているそうです。

そして、酸欠っぽい感じになり朝起きた段階で身体がだるいそうなのです。

漢方の治療イメージ

そこで改めて漢方的に体質及び鼻の状態をチェックしてみることにしました。

漢方的な問診や舌診、その他の東洋医学的なチェックを行った結果、この患者さんの蓄膿(副鼻腔炎)はアレルギーよりも感染症が主な原因なのではないか?と思いました。

つまり、鼻周辺に雑菌がいるけれども、免疫が弱く菌を殺しきれないなめ、菌と免疫細胞が膠着状態になっているため、ずっと膿が生じているのではないか?と思ったのです。

そのため、この患者さんには抗アレルギーの漢方薬というより、抗菌的な働きの強い漢方薬に排膿作用のある漢方薬を併用することで様子をみてもらう事にしました。

それから1か月後に来られた際、様子をお伺いすると・・・

以前よりも明らかに症状が改善しているそうです。

ただ、花粉が増えて聞いた時期から、蓄膿とは別に日中に鼻水が少し出るようになったそうです。

この症状は花粉症なのだと思いますが、今の漢方薬に花粉症の漢方薬を合わせるのが難しいですし、患者さんも蓄膿(副鼻腔炎)の治療を優先してほしいということだったので、同じ漢方薬で様子をみることにしました。

まだ漢方治療は始まったばかりで治ったわけでは無いですが、すぐに改善効果が出たのでとりあえずは良かったです。