HPを見て患者さんが来られました。

症状は非結核性抗酸菌症(肺マック症)です。

ここ最近息苦しさや咳や痰が増えてきたため病院で検査を行ったら抗体検査で陽性が出たそうなのです。

ただ、まだ病院ではお薬は出ておらず、病院で出されるお薬(抗生物質)には強い副作用があるということを聞いて少しでも良くしたいということでご相談に来られたのです。

そこで改めて、病気の経過や現在の症状などをお伺いしました。

そうすると、症状はもっと以前からあったそうですが、病院で入院して本格的に検査したのが約3か月前だそうです。

その時にレントゲンを撮った際に肺に影があったそうです。

痰の培養検査を今行っているそうですが、約2か月程度培養するということで、その結果はまだわかっていないそうです。

ただ、血液検査の非結核性抗酸菌症(肺マック症)の抗体検査では陽性が出たという事でした。

自覚症状としては息苦しさ、そして朝と夜に、痰が出て、それを出したくて咳が出る感じだそうです。

痰の量はものすごく多いわけでは無いそうですが、朝と夜では圧倒的に朝が多いそうです。

その分、咳も夜に比べ朝が多いそうです。

痰の色は白で粘調なものだそうです。

日中は痰も出ず、そのためほとんど咳は出ないという事でした。

非結核性抗酸菌症(肺マック症)による体重減少まだしていないようでした。

漢方治療イメージ

これ以外に、東洋医学的は問診、舌診、聞診、それ以外の東洋医学的なチェックを行い、この患者さんの状態をチェックしてみたところ、私の見立てでは少なくとも、現在の症状(痰と咳と息苦しさ)を出しているのは非結核性抗酸菌症(肺マック症)ではない気がしました。

私の経験では非結核性抗酸菌症(肺マック症)の患者さんは、全般的に刺激に敏感な方が多く、肺の粘膜も弱い方が多いのです。

そのため、ちょっとした刺激が引き金になって痰や咳が出やすいのです。

そのため、とりあえず、この肺の粘膜刺激に対して過敏にならないようするための漢方薬を約半月お出しして様子をみていただくことしました。

そして、半月後来られた際に様子をお伺いすると、

朝の痰も咳も減ったそうです。

夜は咳も痰も出ていないそうです。

痰の色も少し薄くなったようです。

また、息苦しさはまだたまに出るそうですが、減っているそうです。

そして、気力も出てきたそうです。

症状は全般的に改善しているようでした。

そこで、再度東洋医学的にもチェックしなおしてみたところ、まだこの漢方薬で合っていると思われたので、同じ漢方薬で様子をみていただくことにしました。

この漢方薬は直接、非結核性抗酸菌症(肺マック症)に効くわけでは無いですが、非結核性抗酸菌症(肺マック症)で出ている症状に関しては別の漢方薬でも治療が可能なのです。

ただし、このような症状を漢方では標治(対処療法)といいますが、これだけでは根本的には良くなりません。

非結核性抗酸菌症(肺マック症)がある場合は非結核性抗酸菌症(肺マック症)の本治(根本治療)を行わなければいずれ、この標治(対処療法)も効かなくなります。

でも、とりあえずの対処療法としては合っていたのではないか?と思います。

良かったです。