患者さんがご相談に来られました。

この方、もう長く私の薬局に相談に来られています。

といっても毎週毎週ずっと相談して何年も継続して漢方相談をされているわけではなく、気になった症状がある時だけ、ピンポイントのようにご相談をされて、症状が改善したら、しばらく来なくなり、気になる症状があれば相談に来る。

そのような形の繰り返しでした。

その時々でいろんな症状が出てくるのですが、どれもそれほど重症ではなく、発症してすぐにご相談に来られるので治りも早かったのです。

もともと若干心配性っぽい感じはありましたが、それが、コロナ喎になってから、徐々に心配性が増していった気がします。

それが、何きっかけなのかわかりませんが、ある時から異常に心配性になったのです。

例えば、自分は新型コロナに罹っていないかどうかとか?

子供は罹っていないか?とかとても心配するようになりました。

それから、どんどん心配性が増していき、隣に座っていた人が咳をしたけど自分は大丈夫か?とか

通りすがりの人がすれ違う時に咳をしたけど、自分は新型コロナに罹っていないか?とか電話が来るようになりました。

酷い日には1日に4回も5回もそのような連絡がくるようになりました。

さすがにここまでくるとただの心配性とは思えなくなり、心配性のための漢方薬を出してみることにしました。

漢方医学(東洋医学)では昔から、精神・心因性の問題を五志の憂(ごしのゆう)とか七情(しちじょう)とかいい、これらは病気の原因になりえるのです。

そこで、改めて、問診を行い、東洋医学的どこに問題があるのかチェックしました。

そうすると、東洋医学の気・血・水(きけつすい)の問題の中の主に気に問題があるように感じました。

また、漢方の五臓六腑では胆とか腎とか、驚きやすさと関連があるように思いました。

これらのことを参考にしてこの患者さんに合いそうな漢方薬をお出しすることにしました。

それをおよそ1週間ごとにチェックしていきました。

漢方治療イメージ

ところが1週間しても症状は全く改善していない感じでした。

それでも再度東洋医学的にチェックを行うと漢方薬は合っているように感じるのです。

そのため、同じ漢方薬をお出ししました。

このように毎回1週間ごとにチェックしましたが、自分が思った程には改善しませんでした。

気か付けば1か月経過していました。

そこで、再度お薬を変えてみようと思ったのですが、今出している漢方薬よりも効きそうな漢方薬を見つけることができませんでした。

そこで、今の漢方薬以上に効くものを見つけるまで一旦漢方薬をお休みしてみることにしました。

ところが漢方薬をいったん中止して数日経過したある日から、びっくりするほど電話連絡が増えだしたのです。

酷い時には5分もたたないうちに数回の電話連絡がありました。

これはマズイと思い、本当に合う薬を探したら1週間後くらいにこの患者さんに今まで出していた漢方薬以上に効きそうな漢方薬を見つけることができました。

これを、試しに1週間分お作りして様子をみていただくことにしました。

そして、1週間たたないうちにこの患者さんからお電話がありました。

この電話は心配性の電話ではなく、この漢方薬が合ってる気がするというものでした。

この漢方薬を飲むと気持ちが落ち着くそうです。

実際、それ以降電話の回数が激減しました。

そして、1週間後に再び来られた際にチェックしなおしてもやっぱり合っている気がしました。

そのため、同じ漢方薬を服用していただくことにしました。

まだまだ治療は始まったばかりで、今回の治療はいつになく時間がかかりそうですが、何とかなりそうなめどがたちました。

とりあえずですが、良かったです。