HPを見て患者さんが来られました。
症状は子宮筋腫です。
その細かい場所はわからないそうですが、大きさは少なくとも5cm弱の大きさがあるそうです。
また症状ですが、1年前から急激に生理の出血が増えてきたそうです。
そして、その量はどんどん増えて不安になってきて約半年前に病院を受診したら、子宮筋腫
と診断されたそうです。
子宮筋腫と一口にいっても実際には子宮筋腫のできる部位によってその名称が異なります。
そして、そのできる部位よって身体に及ぼす影響が異なるのです。
子宮筋腫のそれぞれの種類を簡単に書くと
漿膜下筋腫・・・子宮の外側にできるため、無症状のことが多いです。無症状であるため気づかずに時間が経過して巨大化したものが多いのも特徴の一つです。
筋層内筋腫・・・子宮筋腫全体約7割を占めます。多発しやすい特徴があります。症状に関してはできる部位によって異なり、外側寄りにできると無症状に近いですし、子宮内膜付近にできると、ひどい生理痛や生理の量が多い(月経過多)になる傾向があります。
粘膜下筋腫・・・子宮内膜側にできる筋腫です。これは小さくてもひどい生理痛や生理の量が多い(月経過多)になりやすいです。そして筋腫が大きければ大きいほど重症化します。
ただし、この筋腫はできると症状がすぐにでてきて気づきやすいため、極端に大きいものは少ないです。
この前提から考えると、この患者さんの筋腫は筋層内筋腫で内膜近くにできているか?
それとも、粘膜下筋腫だろうと思いました。
そこで、患者さんに実際の筋腫の種類をお伺いしたところ、粘膜下筋腫だということでした。
読みは当たっていました。
ここからほかの自覚症状を聞いていきました。
そうすると、この患者さんは生理の量はめちゃくちゃ多いのに生理痛は無いとのことでした。しかし生理の時の血の塊はものすごく多く、そしてその塊の大きさも大きいということでした。この生理の量が多いせいで、病院で貧血の診断も受けており、鉄剤も飲んでおられました。
その次に患者さんの体質的な問題を質問しました。
漢方からみた子宮筋腫の原因は100%おけつ(血流障害)なのですが、用いる漢方薬はその患者さんの体質・体力によって異なるのです。
そこでいろんな質問をした結果、加齢に伴って生じるおけつが原因で子宮筋はないか?
と思いました。
そこで加齢に伴うおけつが原因で生じる子宮筋腫のための漢方薬を使ってみることにしました。
子宮筋腫で大きいものは原則、煎じ薬でないと対応できません。
そのため、この患者さんにも煎じ薬をお出ししました。
そして2週間~4週間間隔でご相談に来られました。
漢方薬を服用し始めて、1か月後くらいから少しづつ生理の量が減り始めました。
ただし、血の塊はあまり減らないということでした。
それから半年の間は生理が来るたびに生理の量は減ってきていたのですが、半年過ぎたあたりから再び生理の量が増え始めたのです。
こういう時は大体、漢方薬が合わなくなってくる時に現れる症状なのです。
そこで再びこの患者さんに合う漢方薬をチェックしてみると・・・今度は正真正銘、おけつの子宮筋腫の患者さんに合う漢方薬が合う気がしました。
そこでその漢方薬をお出しして、2週間~4週間間隔で来ていただくことにしました。
今回は、最初の漢方薬程の自覚症状の変化はありませんでした。
ところが漢方薬を変えて半年過ぎたあたりから症状に変化が起きてきました。
そこらへんあたりから生理の量が再び減り始め、そして約10か月経過した現在、明らかに生理の量は減り、そして今まであまり変化しなかった血の塊も明らかに小さくなり減ってきたそうなのです。
子宮筋腫は小さくなる前に自覚症状の改善が必ず起こります。
漢方薬を服用されて約1年半経過しましたが、やっと本当の改善の兆しが見えてきました。