私の書いた本を読んで遠方にお住まいの方が、遠方での不妊治療の漢方相談をお願いしたいというご連絡がありました。

年齢は30代の女性です。

この方、お子様はすでにお一人おられるそうなのですが、その後、不妊治療の過程で※胞状奇胎となり、その治療のため、抗がん剤を使用されたのです。
※胞状奇胎とはおおよそ1/500の確率で生じる異常妊娠の一つです。そしてその中の10%~20%は侵入奇胎(前がん状態)となり、1~2%は絨毛ガンになる非常に怖いものです。

その後、無事抗がん剤治療を終えられ、不妊治療を再開されたのですが、その治療を受けるにあたって、不妊検査を行ったそうなのです。

その結果が思わしくなく、子宮内膜が最大でも5mm程度までしかならない※子宮内膜菲薄で何か月も連続で排卵できない排卵障害を引き起こしたそうです。
※子宮内膜は妊娠するために10mmくらいが望ましいと考えられています

そのようなことから体外受精を行ったそうですが、その成績は思わしくなく、1回目は6個採卵できた中のうち、受精し、移植までできたものは1つだったそうです。

2回目の体外受精では1個しか採卵できず、それも受精しなかったそうです。

3回目の体外受精では7個採卵できたそうですが、1つも受精しなかったそうです。

その後、一旦病院での不妊治療は休まれて、1年前から病院の漢方外来に行って漢方薬を出してもらって飲んでいるとのことでした。

それでも目に見える結果が出ないことから、私の書いた本をたまたま読まれて連絡してこられたのです。

漢方治療イメージ

そこで、私の薬局の問診票をお送りして返信していただき、今までの治療経過や基礎体温、現在服用している漢方薬やサプリメントなどの資料をメールで送っていただきました。

それらを一通り読んで、私が思ったのは、この患者さんの現在の生殖器の良くない状態は抗がん剤によって引き起こされたのではないか?という事でした。

というのも、この患者さんの問診内容で子宮内膜が薄い(子宮内膜菲薄)こと生理の量や日数が2日間と非常に少ないことを考えると漢方的には間違いなく血虚(けっきょ)という状態なのです。

そして、漢方外来でもほぼ同じ診断で血虚を改善するための補血作用のある漢方薬が出されていたのです。

それにも関わらず、状態が改善しないのは、本当の原因は別にあるからではないか?と考えたのです。

そうすると、どう考えても影響を与えそうなものは抗がん剤以外に考えられなかったのです。

では仮に抗がん剤が影響していたとして、どうすればこの抗がん剤の影響を改善させることができるか?を考えました。

そうすると、私の薬局でガンに用いるものの中に抗がん剤の副作用を緩和するといわれているものがあったのです。

それを東洋医学的にチェックすると、この患者さんに合っている気がしました。

これをとりあえず、今まで漢方外来で出されていた漢方薬をお休みしていただいて、私の薬局の漢方薬を2週間服用していただくことにしました。

2週間後、再度お話しをお伺いし、基礎体温や東洋医学的なチェックを再度行い、やっぱりこの漢方薬で合っていると感じたので、同じお薬をさらに2週間お送りしました。

そうすると、丁度、漢方薬服用から約1か月で自然に排卵し、妊娠されたのです。

当初の子宮内膜菲薄、排卵障害から考えると劇的な改善で正直私の方が驚きました。

先日この患者さんからDMで無事に出産できたご報告をいただきました。

本当に良かったです。

さらに子宮内膜菲薄に関して興味のある方は→子宮内膜菲薄のページ