以前、来られていた患者さんが久しぶりに来られました。

この方、もともとは精神的なストレスの治療でご相談に来られていて、その症状は多岐にわたっていました。

最初の頃は息苦しさ動悸や背中のコリや張り、それに伴う不眠などでしたがそれを治療して数か月でその症状は改善したのですが、次に出てきたのは身体が鉛のように重くなる全身倦怠や頭痛などでした。

それも漢方で治療して改善してくると左肩から腕にかけてのしびれるような痛みでした。

それも数か月かけて治療し症状が改善してきたら今度は首の上の方がボワーッとするという症状が出てきました。

その症状を改善したら今度はみぞおちと背中が痛むようになり、それも数か月治療すると改善し、今度は右足がしびれるようになり、それを治療して改善したら、今度は腰がおかしくなり、その腰を漢方で治療して改善したら、今度は右の坐骨神経の痛みが出てきて、と

それらの症状すべて取ったら最後に残ったのは胃痛でした。その治療をしてしばらくは症状が落ち着いていたのですが、数か月後再び症状が出てきて最初とは異なる場所の頭痛や肩こりなどが出てきました。

その後今度は鈍痛の腰痛になり、それを治療して良くなったら、首から汗が出てくる更年期障害が始まりました。

不定愁訴改善イメージ

そこからは冷えのぼせ、ホットフラッシュの治療を行いました。この治療には1年以上かかったと思いますが、最終的に症状は落ち着きました。

そこから家庭の事情などで来られなくなったのですが、この夏数年ぶりにこの患者から連絡がったのです。

ご相談内容は乳がんのことでした。

検査で引っかかって精査したら、間違いなく乳がんで漢方薬でできることがあるのでは?と思いご相談に来られたのです。

現在の状況は末期とかではないのですが、初期でもなく、手術も簡単ではない状況でした。

そのため、とりあえず、手術日まで少しでもガンの増殖を抑えたいという思いで、この患者さんに合いそうなものを探しました。

幸い合いそうなものがあったので、とりあえず、手術を受けられる前まで服用していただくことにしました。

それからは2週間間隔で来られて、約2か月間服用していただきました。

それから手術を受けられて、病院で提案された最低限の4クール分の坑がん剤の治療と放射線治療の際にはガンの再発防止と抗がん剤の副作用防止の目的で漢方薬を服用していただきました。

それから、2週間間隔でご相談に来られて身体の状態をチェックしていました。

抗がん剤の副作用を防止を目的として漢方薬を出していましたが、症状が全く出なくなるわけではありません。

漢方治療イメージ

全頭脱毛、全身の関節痛、全身倦怠、からだがピリピリする、胃腸障害、食欲不振、味覚障害、足の裏と足先の痺れなどuy様々な症状が出ました。

抗がん剤の治療および放射線の治療が一通りして再度がんの、状態を病院でチェックしてもらったら、治療はうまくいったため、それからは乳がんの再発予防の治療に切り替えるということでした。

そこで、病院から提案されたのは、がんに用いる薬を一定間隔で服用するか、ホルモン剤の一種で女性ホルモンの分泌を抑えるような薬を服用するかということでした。

そこで、この患者さんは考えた末に、女性ホルモンを抑えるような薬を服用されることにしたのです。

この薬は私が東洋医学的にチェックしても合っているように思いました。

そして、このお薬を服用されてしばらくは調子が良かったのですが、この薬を服用されて4か月過ぎたあたりから、新しい症状が出始めたのです。

最初は更年期障害が再発したのかと思ったのですが、再度一からチェックしてみると、この女性ホルモンを抑えてがん予防をするお薬の副作用だとわかりました。

そこで、様々な更年期障害に用いる漢方薬をチェックしてみたのですが、なかなか合うものが見つからず、苦労しましたが、やっと合うものを見つけたのです。

これは更年期の漢方薬ではなく、ガン予防に用いるような漢方薬でした。

これを服用されるようになってから、頭痛、めまい、手指の関節のこわばり及び痛み、倦怠感などが改善してきました。

まだまだ、治療は続きますが、少しめどがついた気がします。

ちょっとホッとしました。