紹介の患者さんがご相談に来られました。
症状は皮膚の赤みと痒みです。
特に上半身に症状が出ていて、首が最もひどいのです。
この方の話は一度インスタでも取り上げています。
その時も半身に症状が出て、それは新しくネックレスをするようになってから症状が悪化したのではないか?
ということでご相談に来られたのですが、私の東洋医学的なチェックではネックレスによる金属アレルギーは無いと思われ、その原因の可能性を健康食品、乳酸菌等をはじめ、色々チェックしていったら、最終的に皮膚が悪化する少し前から使い始めていたアロマオイルで悪化しているのではないか?
という結論に至ったのです。
そして、アロマオイルの使用を止めていただいて、2週間ごとにチェックしてみると確実に改善していったので、やはりこれだったという結論になったのです。
それから、一旦はこの症状は治まったのですが、再び悪化してきたということで、再度チェックすることになったのです。
実際来られて皮膚症状を見てみると確かに再び症状が出ています。
むしろ症状は悪化しているかもしれません。
これって・・・どういうことだろう?
ということで、再び原因を探ることにしました。
症状としてはアレルギーに思えますが、見落としがあるといけないので、他の可能性もチェックしてみました。
カビが原因でもこういう症状を出すことはありますが、季節がら涼しくなってきているのに、カビが悪化するのはおかしいので、この可能性は排除しました。
また、心因性が原因でも出なくはないですが、心因性の東洋医学的なポイントには反応が出ていないため、これも排除しました。
次にこの方の年齢から考えると更年期症状として皮膚が悪化することがあります。
この可能性はゼロではないように思いました。
そこで、更年期障害に用いる漢方薬の中からこの患者さんに合いそうな漢方薬を選んで服用していただこうと思ったのですが、何となく引っ掛かって、時間を置いて冷静になって再度チェックしなおすとするとやっぱり合っていない気がして止めました。
そして、再度、問診から始めてみると、首の付近以外の手足にジンマシンと思われるものが出るそうです。
そして、それは消えてなくなるのでやはりジンマシンの可能性は高いと思います。
ただ、首の症状はずっと出ているのでジンマシンとは言い難いのですが、身体が暑くなって汗をかくと症状が悪化するらしいのです。
この症状の出方だけを考えるとコリン性蕁麻疹の可能性もあるのですが、先ほど書きましたように症状がずっとでているのでジンマシンと言い切れるか?自分の中で迷いがありました。
そのため、この日はお薬は出さず、宿題にさせてもらうことにしました。
そして、何度も考えて東洋医学的に検討した結果、少なくともコリン性蕁麻疹に用いることの多い漢方薬が合っているのではないか?という結論に達しました。
そこで改めて患者さんが来られた時にチェックしてみることにしました。
そして、患者さんが来られた際に皮膚をチェックさせていただくと・・・
皮膚の状態が良くなっています。
ちょっとびっくりして何か治療を受けられたのか?お伺いすると・・・
別件で内科に行ったら血液検査で鉄欠乏性貧血があることがわかり、鉄剤を服用し始めてから症状が改善してきたと言われるのです。
正直、にわかには信じがたい話でしたが、実際に症状は改善していますし、それ以外の治療は受けていないとのことでした。
私が再度東洋医学的にチェックしてみてもコリン性蕁麻疹の反応があるように感じたのですが、症状が改善しているので、無理して漢方薬を出す必要もないですし、このまま改善するのか興味があったのでやはり漢方薬を出さず、また2週間後に来ていただくことにしました。
そして2週間後再び来られた際に、患部をみせてもらうとさらに良くなっていました。
しかも患部が単にきれいになっているのではなく、痒みも治まっているとのことでした。
私は理論が正しいのに良くならないは無い、良くなった理論が正しいと思っているので、今回は漢方薬は必要ないと判断しました。
そこで漢方治療は一旦終了として何かあればご相談に来てくださいという話をしました。
それにしても・・・こういうこともあるんですね・・・
勉強になりました。