今年も花粉症の時期になりました。

ただ昔に比べると患者さんの花粉症の症状は弱めに感じますし、薬局に来られる患者さんも減っている気がします。

これは皮肉にも常にマスクをしなければならないコロナ喎のおかげ?なのだと思います。

とはいえ、それでも一定数の患者さんはおられます。

患者さんの花粉症の症状としては目の痒み充血、鼻の痒み、咽の痒み、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、咳などが主なものですが、中には皮膚が痒くなる方もおられます。

これらの症状、じつはすべてが花粉症ではないこともあるのです。

というか花粉症ではないケースが増えているように思うのです。

具体的に言えば、黄砂やpm2.5でも同様の症状が起こるのです。

しかし、黄砂やpm2.5と花粉症が身体に与えている影響(作用機序)は異なるとわたしは考えています。

どういうことか?というのを今から説明します。

病原体でない本来、無害なものを病原体と勘違いして、それを身体から排除しようと過剰に免疫システムが働くのがアレルギー反応であり、それが原因で鼻炎を起こすのをアレルギー性鼻炎といいます。

この無害な病原体でないものが花粉でアレルギー性鼻炎の症状を引き起こすのが花粉症なわけです。

つまり花粉症はアレルギー反応によって生じているわけです。

一方、pm2.5や黄砂が原因で生じるアレルギー性鼻炎様の作用機序は異なると私は思うのです。

多くの方はpm2.5や黄砂という無害なものを病原体と誤ってアレルギー鼻炎が生じていると思われていると思うのですが、本当はそうではないのです

pm2.5や黄砂は中国の工業地帯を通過する過程で、その表面に光化学スモッグが付着します。

つまり、光化学スモッグが付着した小さい砂が黄砂で微粒子がpm2.5と考えればよいわけです。

光化学スモッグといってもイメージがわきにくいかもしれません。

そのため、光化学スモッグのかわりに希硫酸や希塩酸をイメージしてみてください。

これらが服につくとどうなりますか?,

服に穴が開きますよね?

これはアレルギーではなく物理的に組織を溶かしてしまうからです。

これが服でなく人の皮膚や喉や鼻、肺の粘膜に付着するとどうなるか?

皮膚や喉や鼻、肺の粘膜が溶けてただれるのです。

これはアレルギー反応とは異なります。

この光化学スモッグによって皮膚をただれさせないために鼻水が出てこの付着した物質を洗い流そうとする反応はむしろ生理的なのではないか?と思うこともあります。

そのため、黄砂、pm2.5に関してはアレルギーを抑える薬を用いるより、黄砂、pm2.5が付着しないようにすることと、洗い流すことの方が大事なのではないか?と思うのです。

出てくる症状としては同じような症状を起こすので花粉症と黄砂、pm2.5は別のものと考えた方が良いように私は思うのです。