妊活(不妊治療)の患者さんが来られました。
この方、数年前に私の薬局で不妊治療を受けて、ほんの数か月で妊娠された方なのです。
この時は、私の薬局に来られるまでの間、ご自身で何となくタイミングをとられていて、それで数年が過ぎ、それでも妊娠しないので病院に通ってタイミングをみてもらって約2年間頑張ったけれどできなくて、そこから人工授精を始めようとしたら、卵胞がうまく育たないということになって漢方相談に来られたのです。
その時には、本当に2か月漢方薬を飲んだらあっという間に妊娠してこっちが驚いたくらいだったのです。
そして、今回は、妊活を再開した段階ですぐにご相談に来られました。
まだ断乳して1ヵ月くらいという事だったので、PRL(乳汁分泌ホルモン=プロラクチン)というおっぱいを出すホルモンが高くなっている可能性があるため、漢方相談のご予約が入った段階でこのホルモンの値は検査していてもらうようお願いしていました。
そして調べてもらった結果、数値は正常だったそうです。
さらに調べてもらうようにお願いしたのが、卵管造影検査です。
この患者さんは一人目のお子さんと同様、タイミングもしくは人工授精での妊娠を希望されているため、卵管が詰まっていたらタイミングも人工授精も意味が無くなってしまうので検査をお願いしたのでした。
このように、明らかにタイミングもしくは人工授精の障害になるものだけは再度検査してもらうようお願いしていました。
そして、卵管も問題ないということでした。
また、ご主人の精液検査もしてもらったそうですが、これも問題なかったそうです。
これならタイミングもしくは人工授精で不妊治療できそうです。
そこで改めて、基礎体温をチェックし、日ごろの養生(生活)、漢方的な問診や東洋医学的なチェックを行い、それらをもとにこの患者さんに合うと思われるものをチェックしてみました。
そこで私が気になったのは、この患者さんが疲れやすいということでした。
基礎体温も身体の疲れが不妊に関係していそうな基礎体温の形でした。
そこで、元気にする漢方薬の中でこの患者さんに合うと思われるものを選んで服用していただくことにしました。
あと食生活で気になったのは、この患者さんは身体のためにという理由で乳製品を結構摂っておられたのですが、この患者さんには合っていないように思われたので、乳製品は控えていただくようにお願いしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・前より疲れなくなっている気がするとのこと。
そこで、再度、身体の状態を東洋医学的にチェックすると・・・確かに不妊の問題は少し改善しているように思えますし、漢方薬も合っているように思えました。ただ、病院で卵胞をチェックしてもらったところ、育ちが悪いということでした。
この話を聞いて漢方薬を変えた方が良いか?少し迷ったのですが、患者さんのご希望もあり漢方薬を1か月分お出しして様子をみることにしました。
そして、1か月後来れられた際に様子をお伺いすると、体調はまずまずだったみたいです。そして前回卵胞の育ちが悪いと言われていましたが、最終的にはちゃんと育って排卵したそうです。でも結局妊娠には至らなかったということでした。
そこで再度この患者さんの身体の状態をチェックすると、生理不順の反応の出るポイントに異常があるように感じました。
そこで、生理不順を整えるような漢方薬をとりあえず2週間お出しして様子をみることにしました。
そして、2週間後に来られた際には無事卵胞も育って排卵していたみたいでした。
今回はこのタイミングで人工授精を行ったそうです。
そして、再度、東洋医学的にこの患者さんの身体の状態をチェックすると、生理不順の反応よりも不妊の反応の方が強く感じました。
そこで今の状態に合いそうな漢方薬を探すと、元気にする系統の漢方薬なのですが、今まで出していたものとは異なるものでした。
それでもこれが合っている気がしたので、この漢方薬を2週間服用していただくことにしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
妊娠されたそうです!!
今回も相談に来られてから約3か月で妊娠されました。
1回目に引き続き早く妊娠されてよかったです。
ホッとしました。
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