HPを見て患者さんが来られました。

病名(症状)は非結核性抗酸菌症(肺マック症)です。

現在の症状をお伺いすると。痰と咳が出るそうです。そして時々血痰が出るそうです。

特に咳と痰が多いのが夜で、布団に入って温まったらものすごく痰と咳が出るそうです。

日中の咳はほんのたまにだそうです。

血痰の頻度は大体1か月に1回程度です。

それから、朝だけ透明な鼻水が出るそうです。

これは鼻を鼻をかんでもかんでも一杯出てくるそうです。

いつからこの病気になったのか?お伺いすると、数年前に家族が亡くなられてから血痰が出るようになり、そこで大きな病院に行って検査をしてもらったら非結核性抗酸菌症(肺マック症)という診断を受けたそうです。

ただ、もう少し詳しくお伺いすると、この非結核性抗酸菌症(肺マック症)を診断したのはレントゲンの画像だけで、他の検査(痰の培養検査等)は行っていないとのことでした。

痰の培養検査は当然、痰が出なければ検査をすることはできません。でもこの方は毎日痰が出るのになぜ痰の培養検査をしないのだろう?と疑問に思いました。

非結核性抗酸菌症(肺マック症)の患者さんは、いくつかの特徴的なレントゲン(CT)画像のパターンがあるようですが、確定診断にはならないと専門書にも書いてあります。

でも他の非結核性抗酸菌症(肺マック症)の患者さんが来られた際にも、レントゲン(CT)画像だけで診断を受けられた方が結構おられるのです。

その中には、漢方薬で非結核性抗酸菌症(肺マック症)に用いる漢方薬が合わないと感じる患者さんが少なからずおられます。

そのため、そういう場合、非結核性抗酸菌症(肺マック症)に用いる漢方薬ではなく、その患者さんの体質(症状)に合う漢方薬に切り替えて漢方薬をお出しするようにしているのですが、今回はどうなんだろう?と思いました。

ただ、症状としては血痰が出ているし、体重も減ってきているというのは非結核性抗酸菌症(肺マック症)の患者さんの特徴としてはよくあるものなので、ますますどうなんだろう?と思いました。

ただ、血痰の出た原因は家族が亡くなられたことのようなので、普段見かける非結核性抗酸菌症(肺マック症)の患者さんの原因とは異なる気がします。

また、漢方的には非結核性抗酸菌症(肺マック症)の患者さんは疲れやすい(特に後期)という特徴があるのですが、それもこの患者さんには無いのです。

漢方の治療イメージ

そこで、とりあえず非結核性抗酸菌症(肺マック症)と決めてかからず、手順を踏んで東洋医学的に非結核性抗酸菌症(肺マック症)に用いる漢方薬が合うかどうかチェックしてみると・・・合わない気がするのです。

そこで、この患者さんの今の体質(症状)に合うと思われる漢方薬に切り替えてお出しすることにしました。

まず、一番本人も気にされていたのは、夜布団に入って温まると出てくる激しい咳と痰です。

これをまず治療してみることにしました。

この症状はかなり特徴的なので、使えると思われる漢方薬は自分の知っている限り数種類です。

それらをチェックしてみるとこの患者さんに使えそうなものが一つ見つかりました。

それを、とりあえず2週間分お出しして様子をみることにしました。

そして、2週間後来られた際に様子をお伺いすると、ここ数年悩んでいた夜、布団に入って温まると出てくる激しい咳と痰がかなり改善したというのです。

ただ、まだ治るというレベルではないということでした。

それでも、短期間で症状が改善したことに患者さんはとても喜んでおられました。

まだ、治療を始めたばかりだし、完全に治った訳ではありませんが、とりあえず、今回お出しした漢方薬は体質的(症状)には合っていたのだと思います。

とりあえず、良かったです。

さらに、非結核性抗酸菌症(肺マック症)に興味のある方は→非結核性抗酸菌症(肺マック症)のページ