私の薬局には40代の不妊治療患者さんが多数来られています。
その中には不妊治療が上手くいって妊娠、出産される方もおられれば、中には卵胞がなかなか育たないところでつまづいてしまう方もおられます。
以前は体外受精は費用的にかなり高いハードルがありましたが、体外受精が保険適用内となった現在、お子さんがどうしても欲しい方は、できるだけ早く体外受精にステップアップした方が良いのではないか?と思っています。
この体外受精に関して、患者さんからご相談を受ける中で、お話ししておきたいことがあります。
それは、まさに今回のタイトルそのままですが、40代の方は不妊治療の体外受精の方法は色々なやり方を試した方が良いということです。
最近の話をすると、もともと高刺激のホルモン補充を行って体外受精を行う不妊専門クリニックで治療を受けられていた方が、そこでの高刺激のホルモン補充のやり方では卵胞が育たなくなり、病院を変えたのです。
変えた不妊専門クリニックでは最初は中刺激位のホルモン補充療法を行いましたが、上手くゆかず、低刺激法のホルモン補充療法でもうまく行かず、ほぼ自然周期に限りなく近いやり方で本当に久しぶりに卵胞が育ち採卵することができたのです。
一方、高刺激のホルモン補充療法による体外受精を続けられていて1個採卵できるかできないか?というギリギリの状態を続けられていた患者さんが思い切って自然周期を専門とするクリニックに転院して、1年間不妊治療を頑張ったけれども、結局1個も採卵することができなかったというケースも過去ありました。
体外受精を行う際、30代前半の方は傾向として高刺激のホルモン補充療法による体外受精の方が沢山採卵できて効率が良い気がします。
40代に入ると採卵できる数が極端に減ってくるので、その場合、傾向として低刺激~自然周期による体外受精の方が身体にも卵巣にも負担がかからず良い気がします。
30代後半になってくるとよりケースバイケースになってきます。
まだ、卵巣機能の衰えが全く見られない30代後半の方は30代前半の方と全く同様の治療が良いと思いますし、卵巣の衰えが見え始めた30代後半の方は低刺激~自然周期による体外受精の方が良いことが多いです。
この卵巣機能の衰えをどこで判断するか?というとAMH(抗ミュラー管ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)です。
絶対的な目安ではないですが、FSH(卵胞刺激ホルモン)が20mIU/mlを超えてくるとほぼ間違いなく卵巣機能は衰えてきていると言えます。
一方AMH(抗ミュラー管ホルモン)が同年代の人と比較して低かったとしても、それが直接卵巣機能の低下を表しません。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵巣内にあとどれくらいの卵胞が残っているか?を表す指標でしかないのです。
この数値と妊娠率は直接的な相関はありません。
ただし、この数値が低いと体外受精を行った際に採卵できる卵胞の数は少ないことが多いため、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の高い方に比べ、体外受精を何回も行わないといけない可能性は高いということなのです。
でも、結局のところ、これらも含め、実際にやってみないとわからないのです。
自分に合った治療法かどうかは最終的にはやってみないとわかりません。
そのため、色々な治療法を試みた方が方が良いと思いますが、
卵巣機能の低下が無い方は高刺激⇒低刺激⇒自然周期の方向で体外受精を行っていく方が確率は高い気がしますし、
卵巣機能が衰えてきている方は低刺激法⇒高刺激法
or
⇒自然周期
という順序で治療を行った方がうまく行きやすいように感じています。
あくまで私の個人的な見解ですが、参考にしていただければと思います。