紹介で新しく患者さんが来られました。

主な症状は頭痛、めまい、吐き気、手がしびれるなどです。

この症状のうち、頭痛、めまい、吐き気の3つは同時に症状が出るそうです。

これらの症状は約3年前から出始めたそうです。

手がしびれる症状に関しては一緒に症状が出ることもあるし、でないこともあるそうです。

この症状は1年前くらいから出始めたそうです。

これらの症状が出やすいのは夏~秋にかけてで2~3週間に1回は必ず出るそうです。

そして、この症状いちど出始めると3日間続くという事でした。

これらの症状が出る原因やきっかけについて伺いしましたが、よくわからないとのことでした。

ただ、この原因に関しては少し引っ掛かったので、もう少し踏み込んだ質問をしました。

というのもこれらの症状、単純に自律神経の乱れや更年期などでも生じるのですが、ストレスが引き金になることが多いのです。

そして、この方の年齢から考えると更年期障害が出てくるにはまだ若干早いと感じたのです。

そこで、ご家族の構成や現在の仕事などについてお伺いしました。

漢方薬治療イメージ

そこで、お話をお伺いすると、仕事は正社員でフルタイムで働かれていて、お子さんが二人おられるということで、仕事と家事でかなりハードな生活をされていることが想像できました。

なおかつ、仕事で出世されて、責任が重くなったとのことでした。

その時期がちょうど3年前で頭痛、めまい、吐き気の症状の出始めた時期と一致するのです。

そのため、恐らくこれらの症状は精神的ストレスが原因で生じたと思われました。

そこからさらに東洋医学的な問診やチェックを行い、漢方的な体質や原因を見極め、この患者さんに合うと思われる漢方薬をとりあえず3週間お出して様子をみることにしました。

そして3週間後に、来られた際に様子をお伺いすると・・・

一番最初にお話しされたのは、疲れにくくなったとのことでした。

全く疲れなくなったわけではないそうですが、疲れの質が変わったそうです。

そして疲れても頭がふわっとする(めまいの症状)が無くなったそうです。

この話は最初されていなかったのですが、これって漢方相談あるあるで、症状がとれて初めてご本人がもともとその症状が気になっていたことを自覚されるのです。

しかも今の話だと、疲れがめまいの引き金になっていたという事です。

そして、頭痛、めまい、吐き気について、現在の症状をそれぞれ聞いてみました。

そうすると・・・

頭痛・・・今回症状は出なかった。

めまい・・・今回症状は出なかった

吐き気・・・今回症状は出なかった

という事でした。

2~3週間に1回は必ず症状が出ていたので、明らかに改善しています。

そして次に手のしびれについてお伺いしたところ、この症状も全く出てないとのことでした。

著効と言っていいと思います。

今回、お出しした漢方薬は身体を元気にしながら頭痛、めまい、吐き気をとるようなもので、経験的にはストレスの強い方に用いることの多いものでした。

この読みが正しかったのだと思います。

ただ、逆にいえば、疲れやストレスが過度に溜まればまだまだ症状が出る可能性はあると思います。

そのため、すぐに漢方薬を止めることはできないですが、服用を継続して体質改善していけば、少々のことなら大丈夫になっていくと思います。

そこまで至るにはまだまだ時間はかかりますが、とりあえず症状がすべて消えてよかったです。

自律神経失調症の漢方療法についてはこちら

めまいの漢方療法についてはこちら