めまいの治療をしている患者さんが相談に来られました。

この方、過去に何度もめまいを繰り返していて、過去にはめまいが原因で突然倒れたこともあるのです。

頭を下げるとふわふわするめまいが出る症状がありました。

病院で検査も受けてみて脳の MRI を撮った時に脳出血を起こしていた箇所がいくつかあったそうです

そのためだと思うのですが、病院ではメニエールの診断を受けているのですがメニエール病の薬では完全に良くならないのです。

そのため相談に来られたのが最初でした。

実際に私が治療していく過程でも、やはり純粋なメニエール病に使うような漢方薬ではうまくいかなくて、脳血流改善するようなものや自律神経やストレスを改善するようなものを組み合わせることで症状が出なくなったのです。

今回ご相談に来られたのは別件で、背中がガマンできないくらい痛くなって病院で検査をしたら後縦靭帯骨化症と診断されたそうなのです。

そして、後縦靭帯骨化症の治療するには手術した方が良いと言われたのですが、この患者さんは高齢であり、背骨の部分を手術することで痛みがなくなる可能性はあるかもしれないけど、手術によって生じる諸々のリスクを心配されてご相談に来られたのです。

とりあえず、手術については考える時間をもらって、痛みは痛み止めをもらって痛みをしのいでいるそうです。

後縦靭帯骨化症に関しては過去に数名治療して、症状が改善した経験があるので、実際その部みのを部分を東洋医学的にチェックしてみることにしました。

そうすると、東洋医学的にチェックしても後縦靱帯骨化症は確かにあるように思うのですが、この患者さんの訴えている痛みの原因とは違うのではないか?と感じたのです。

それは何故かというと、一つにはこの人の痛みの症状がかなり激しかったということがあります。

この後縦靭帯骨化症の病気の原因から考えても、発症初期に激痛という形では出にくいと思うのです。

そして、実際、今までの経験からも後縦靭帯骨化症の方は、痛みよりむしろ、しびれが強くている人の方が多いのです。

そして、もう一つ、後縦靭帯骨化症起こしているといわれた部位と痛みを起こしている部位を細かくチェックしてみると、若干の位置的なズレがあるのです。

漢方薬イメージ

それらのことから今回の痛みは後縦靭帯骨化症が原因ではなくただの関節なのではないかと思いました。

そのため、今回は後縦靭帯骨化症の漢方薬ではなく一般的な関節に用いる漢方薬を使って治療を行ってみることにしました。

漢方薬を服用されて最初の2週間は、全く漢方薬の効果を実感されることはありませんでした。

しかし服用されて1ヶ月過ぎたあたりからなんとなく良いような気がするというようなこと言われるようになりました。

ただしこの段階ではまだ病院の痛み止めも同時に服用されていました。

まだとても痛み止めをやめて様子を見れる状態ではなさそうでした

それから大体2週間間隔でご相談に来られたのですが、服用されて約2ヶ月を過ぎたあたりから病院で出された痛み止めを服用しなくても痛みが出なくなってきたようです。

そして漢方薬服用されて約3ヶ月で背中の痛みは消えたそうです。

後縦靭帯骨化症の場合、漢方薬を服用してこんなに短期間に症状が改善することはありません。

そのため、やはり今回の背中の痛みは後縦靭帯骨化症ではなく背骨(脊椎)の関節に問題があったのだと思います。

どちらにしろ症状が改善されて良かったです。