漢方薬は患者様の体質や症状に合わせて漢方専門の薬剤師が東洋医学的方法に基づき、体質を見極め、お出ししています。そのため風邪のような急性症状に関しては漢方薬の服用のみで改善していくことも多いですが、一般的に言われる生活習慣病などを漢方薬で治療していく場合には漢方薬の服用だけでは改善スピードが遅くなったり、改善が不十分な状態で足踏みしてしまうこともあります。
このような場合でも、漢方薬にプラスαしてご自身が生活の中でできることを実践していただくと、漢方薬の服用だけの時よりも早く、身体を良い方向に改善していくことが多いのです。
この漢方薬と合わせてご自身が生活の中でできることを実践していただくことを養生法といいますが、今回はこれについて詳しくご紹介いたします。

漢方の効果を高めるためにできることは?

漢方の効果を高めるためにできることにはどんなものがあるのでしょうか。できる限り効果を高めることにより、体質や症状の早期改善にもつながります。以下で詳しくご紹介いたします。

証(体質)に応じた養生法を実践すること

漢方では、独自の理論で体質を調べる手法があります。その東洋医学的手法を四診(問診、望診、聞診、切診)といいます。この四診をもとに患者さんの体質を見極めます。さらに病院での検査データや西洋医学的な病名及び病情なども加味し、患者さん「証」を見極め、その「証」に最適と思われる漢方薬をお出しするのです。

東洋医学的手法を四診(問診、望診、聞診、切診)といいます。この四診をもとに患者さんの体質を見極めます。さらに病院での検査データや西洋医学的な病名及び病状なども加味し、患者さんの「証」を見極め、その「証」に対し最適と思われる漢方薬をお出しするのです。

その「証」に合わせた漢方薬をお出しした場合でも、病名及び病状によって、漢方薬の服用だけで良い場合と、漢方薬の効果を高めるために、ご自身で日常でできることをやっていただくことがあります。それが「養生法(ようじょうほう)」です。
当薬局では、漢方相談後に体質を見極め、服用していただく漢方薬と合わせて、個々人に合わせた養生法をお伝えしています。

誰もが実践すべき基本的な養生法に個々の体質に合わせた養生法を組み合わせるのが効果的

上記でご説明したように、個々の体質に合わせた養生法は非常に重要な要素ですが、誰もが実践すべき基本的な養生法に個々の体質に合わせた養生法を組み合わせた方がさらに効果的です。具体的には以下の通りです。

  • ・夜更かししない
  • ・湯船にゆっくりつかる
  • ・バランスの取れた食事を心がける

当薬局ではこれらの基本的な養生法に個々の体質に合った養生法を組み合わせてアドバイスしていますが、養生法は体質が変化したり、相談内容が変わればその内容も変わっていきます。(例えば冷え症の相談に来られていた方が、冷え症が改善したので次は吹き出物の治療をしてほしいと相談内容が変わった場合など)そのため、漢方薬が体質の変化や症状に応じて変わってゆくように、体質や症状に応じて養生法も変化していきます。
そのような場合にはその都度、養生法をお伝えします。

漢方で用いられる「養生法」をご紹介

漢方の効果を高めるには「証」に応じた「養生法」が重要だということをご紹介しましたが、一般的な養生法というものも随分と広がりを見せています。「養生して下さい」という言葉があるように、古くから根付いている「養生」には一体どんなものがあるのか、参考として簡単にご紹介いたします。

1.質の良い睡眠は、養生の第一歩

睡眠は生活の基本中の基本といえる養生法です。東洋医学での睡眠は「気」を補う養生法として重要視されています。
一般的には、日付が変わる午前12時前には眠ることがホルモンバランスや自律神経を整えるうえでも大切ですし、これは東洋医学的にみても重要です。
また「冷え」は睡眠の大敵です。手足が冷えて眠れないといった経験をしている方も多いのではないでしょうか。冷えがあると寝付きが悪くなり、眠りの質も低下します。そのためゆっくりお風呂につかり、十分に身体が温まったら、湯冷めする前にできるだけ早くふとんに入って寝ることがおすすめです。

2.健康管理の基本となる「食養生」

食に連なる養生も「気」を補う方法です。「食養生(しょくようじょう)」とも呼ばれます。
食養生は、旬の素材をバランスよく食べること、さらに食べる量は腹八分目にすることがいいとされています。旬の素材を摂ることは、季節の変化に心身が順応するのを助けてくれます。また、「腹八分目」はカロリーオーバーになり、肥満や糖尿病になるのを防ぐ一助となります。
食べたい量を全部満たしてしまうのではなく、「腹八分目がちょうどいい」と覚えておくと食べ過ぎの予防となるでしょう。
食養生「身土不二 という言葉をご存知ですか?」の記事はこちら

3.ほどほどの運動も養生の一つ

睡眠、食事と並んで重要とされるのが「運動」です。運動される場合、どんなものでも良いですが、始めるのであれば、あまり最初から頑張りすぎないことが大事です。ご自身の興味や現在の体力、やりくりできる時間に応じて無理の無いようにしてください。一番大事なのは継続することです。継続なくして体質改善は起こらないのです。

漢方薬局ハーブスでは、患者様お一人お一人に合わせた養生法をご説明します

ここまで、養生法についての基本やポイントについてお話してきました。多くのものは聞いたことのあるものだったかもしれません。ただし、最も大事なことは知っていることではなく、自らが継続して実践し続けることなのです。

漢方薬局ハーブスでは、漢方の効果を高めるために日常的にやっていただきたいことを、患者さんに個別でご説明しています。基本的に養生法はそれぞれの患者さんが継続してできる程度の最小限のお話にとどめています。そのため、その養生法を継続的に実践できていてさらに養生法をお知りになりたい場合は、ご相談の際にお知らせください。
漢方のことならどんなことでもOKです!ぜひ漢方薬局ハーブスにご相談下さい。