高コレステロール血症の漢方相談をされている方が来られました。この方、若い頃はそうでもなかったのですけれども、年齢を重ねるうちに徐々にコレステロールの値が高くなってきたのです。

最初は肝臓の解毒機能を上げる様な漢方薬や、体の代謝機能を上げるような漢方薬などを使ってコントロールしていたのですけれども、 最近は、更年期障害に用いるような漢方薬で、コレステロールの値は徐々に減ってきているのです。

最近では、更年期の影響のせいか、時折、精神的な問題で、ご相談に来られることもあるのです。

今回も、突然お電話がかかってきて、今日、空いている時間で見て欲しいとのことでした。

そして来られた時にお話を伺いすると、ここ1~2ヶ月の間で、徐々に、肩が張るような症状や、胸が引っ張られるような症状が出てきているそうなのですけれども、これは乳がんとかではないのか?というご相談でした。

年齢的なことを考えれば、まだ乳がんを発症する可能性はなくはないです。

ただ乳がんになりやすい方というのは、乳製品の過剰な摂取をしている方が多いのです。この患者さんには以前、乳製品をあまり取るのは良くないみたいな話はしていたので、それほど乳製品は取っていないはずです。

実際、確認してみても、乳製品はそれほど取っていないそうです。

そして、何より、乳がんの触診的な特徴であるしこりがあるのかどうか?お伺いしてみると、しこりは特に感じないそうです。

そこで、ガンの反応の出るツボで、乳がんの可能性についてチェックしてみると、どうもガンの反応が出るツボには反応していない気がするのです。

このようなケースの場合、自分が良かれと思って行い始めた健康法みたいなものが合っていないことが多いのです。

そこで、最近、何か変わったことはしていないか?聞いてみました。

漢方相談イメージ

最初は特にないと、言っておられたのですけれども、再度、考えられた後、そういえばということで、 3ヶ月ぐらい前に 目にも肝臓にもいいということで、ブルーベリー入りの黒酢を知り合いの方から頂いて飲み始めたというのです。

そして、その方から頂いたブルーベリーの黒酢が無くなったため、自分で別のメーカーのブルーベリー入りの黒酢を購入して引き続き飲んでいるそうなのです。

そこで、そのブルーベリーの黒酢をチェックしてみると、どうもこれが怪しい感じです。

漢方的に考えると酢には筋肉を引き締める作用があるのです。

この筋肉を引き締める作用が行き過ぎてしまうと、筋肉が縮こまったり、引っ張られたりする感じが出てきてもおかしくはないです。

このブルーベリーの黒酢のようなものは、 健康に良いと言われていても、基本的には食品です。

食品なので作用としては弱いのです。
そのため、副作用的なものも、すぐには出てこないのです。

飲み始めて1ヶ月くらい経ってから出てくることが多いため、まさか、それが原因とは思わないケースがよくあるのです。

しかも今回のケースは、おそらく、最初に飲まれたブルーベリーの黒酢はそれほど問題がなかったのではないかと思うのです。

ご自身で次に買われたブルーベリーの黒酢が合わなかったのではないかと思うのです。似たような商品でも、中身のブルーベリーと黒酢の比率や黒酢の酵母の違い、それ以外に入ってる成分のバランスや組み合わせなどによって、合う合わないとかが異なることがあるのです。

どちらにしろ、このブルーベリー入りの黒酢が合わない可能性は非常に高いので、とりあえず、次の相談日まで、このブルーベリーの黒酢を止めてもらうことにしました。

そして約2週間後、この患者さんが来られたのですけれども、症状をお伺いすると、やはりやめてから数日で少しずつ症状が治まってきたそうです。

そして2週間経った今では、ほぼ、症状はなくなったそうです。

このように、よかれと思ったことが、身体に悪影響を与えていることは良くあることなのです。