不妊治療の相談にご夫婦で来られました。

こちらのご夫婦、二人ご一緒に漢方相談をする時間を取ることができなかったため、別々の日にきていただく形になりました。

そして、数日前に奥様の方の不妊症の相談をお受けしたのですけれども、結果としては、奥様には 漢方的な視点から見て不妊症はないと判断しました。

それでも、何年も妊娠されていないということから、奥さまではなく、ご主人の方に問題があるのではないか?と思い今日の漢方相談に至ったのです。

そして、実際に漢方相談をしてみると、やはりご主人の方に問題があるように感じました。

この患者さん、病院では精索静脈瘤があったため、それが不妊症の原因と言われていたのですけれども、実際に精索静脈瘤の手術をしたにもかかわらず、精液検査の結果は全く改善していませんでした。

むしろ、若干悪化しているかもしれないくらいの数値でした。

こういうケース、男性の不妊治療では最近よく見かけるのです。

実際に男性不妊の状態の出るツボでチェックしてみても、精索静脈瘤に使われるの漢方薬が合うような反応はでていませんでした。

それよりも、一般的な男性不妊の原因に使うような漢方薬が必要という風に感じました。

具体的にはミネラル不足やスタミナ不足が関連しているように感じました。

そのため、漢方薬もそうですけれども、それと同時に食事の取り方や生活上の注意点なども合わせてお話ししました。
特に男性の場合は、精子を毎日作っているため、このような食事や生活上の問題でで精子の運動率や量が簡単に悪化してしまうことがよくあるのです。

逆に言えば生活などを整えるとかなり短期間で改善することもあるのです。

そのため、まずはこの漢方薬を服用して、生活上の注意点を守って、しばらく様子を見ていただくことにしました。

実は、このように、ご夫婦で来られて、奥様に問題が無く、ご主人のみ漢方薬を服用していただくという、ケースが2日間連続だったのです。

そして、奇しくも、ご主人に用いた漢方薬も本当に珍しく同じだったのです。

WHO(世界保健機構)の発表では不妊症の原因の半分は男性側にあると以前から言われていたのですが、自分の今までの感覚としては男性が原因の不妊は3割(全体の1/3くらい)だったのです。

しかし、ここ最近この不妊症の中で男性が原因の不妊症の比率が確かに5割に近づいてきている気がします。

そのため、これからは、不妊治療の検査はできるだけご夫婦一緒に受けられた方良いのではないかと思います。