高齢不妊治療をされている患者さんは漢方薬局ハーブスにもたくさんおられます。そのやめ時を決めるのはとても難しいと思います。そこで漢方薬局ハーブスで過去に高齢不妊治療をやめられたケースやその理由などについて、思いつくままですが、書いてみたいと思います。これからやめるか?やめないか?を現在考えられている高齢不妊の患者さんのヒントになるものがあればと思います。

高齢不妊治療のやめどきのタイミングが簡単な場合

まず高齢不妊治療のやめ時に関して整理しやすい話からしていこうと思います。その理由で過去に止められた患者さんが実際におられるケースです。

お金が続かない

結構切実な問題です。以前は45歳くらいであっても、申請を行えば不妊治療の補助が出ていましたが、現在は不妊治療助成金には42歳までと制限があります。そして1回の上限は15万円です。若い方であっても5年間で10回までと上限が設定されています。40歳以上の方の場合は初年度3回、次年度2回となっています。

身内(ご主人)からやめるように促された

これは一部上のお金の問題とも絡んでくる部分ですが、ご主人が「もうそろそろやめたら?」というような話をされてそれであきらめるケースも実際問題としてはかなりあります。つらい部分もありますが、やめるという視点に立てば、夫婦で話し合うことはとても大切だと思います。

やめる年齢を決めている

最初からやめる年齢を決めて高齢不妊治療をされている患者さんは自分の中ではっきりと線引きができていてやめどきがはっきり見えています。そのため、その期間であればかなり制限なく治療できるため、うまくいくケースもそれなりに多いように思います。

高齢不妊治療を続ければ続けるほど結果が悪くなっている

これもわりと不妊治療をやめやすいとは思います。特に高齢不妊治療の場合、同じ治療法であれば、加齢に伴う問題によって、治療の成果は出ずらくなってくるのが普通です。

 

高齢不妊治療のやめどきのタイミングが難しい場合

不妊治療そのものがやめどきが難しいのですが、若ければ一時お休みするという選択肢があるのですが、高齢不妊治療となると、そこができないので非常に悩まれる方が多いと思います。

ご主人の方が強く子供を望んでいる

ご主人がお子さんを強く望んでいるケースは結構あります。不妊治療は高度になればなるほど女性に負担がかかります。高齢不妊治療であればなおさらです。しかしご主人の強い意向があるとなかなか途中でやめることは難しいというのが現実だと思います。

やめるきっかけが見つからない

結局特別な制限が何もないことが一番の問題といいうケースです。ご主人も「好きにしていいよ」というスタンスであったり、金銭的にも裕福ではないにしても不妊治療を続けることで家計的な負担がそれほどないケースも多々あります。そういう場合には止めるきっかけがみつからないからだらだら続けてしまうということがあるように思います。

奥様ご自身が子供がどうしてもほしいと思っている

これも非常に多い理由だとは思います。これは二人目不妊の患者さんでもこういう方は多いです。一人目を生んだ方はもう一度子供を育てたい!!と強く思われるかたは多いように思います。また再婚された女性の方で、もともとお子さんがおられる場合などでも、再婚されたご主人との間に子供がどうしてもほしいということで治療をされている方は多いように思います。

治療結果が惜しいところまで来ている

これも意外に多いかもしれません。うちの患者さんでも漢方治療を始めてから今まで陽性反応が出てことがなかったご夫婦が、これでやめようと思っていた矢先、最後と思って体外受精をしたら陽性反応が出て、心拍も確認できたがその後、流産されて、やめるにやめれなくなってしまったということが最近ありました。また病院を変えて治療法が大きく変わることによって、徐々に採卵できなくなってきていた患者さんが再びコンスタントに採卵できるようになって、いつまで続ければ良いのかわからなくなったケースなどもあります。それはそれでいいのかもしれませんが、やめようと思っていた方の場合は、完全にやめ時を見失ってしまう原因になってしまいます。

 

結局のところの高齢不妊治療のやめどきは?

これは残念ながらご自身もしくはご夫婦で決めていただくしかできないのですが、それを話し合うためのポイントというのはいくつかあるように思います。それを整理して書いてみようと思います。

・治療を継続する金銭的な問題はどうか?

・出産後子供を育てていくための体力・気力はあるか?

・子供が大きくなる(成人になる)まで経済的にもつか?(定年などで収入がなくならないか?)

・今後治療を続けてゆくことで妊娠・出産の見込み(可能性)はあるか?→これは非常に難しい問題で専門家でもちゃんと答えることはできないと思いますが、治療の方向性としてやればやるほど成績が悪くなっているようであれば難しいかもしれません。でも正直なところわかりません。

・自分の気持ちと相手の気持ち

・自分たちの(遺伝子をもつ)子供でないといけないのか?→ごくごく少数ですが養子縁組をされる患者さんもおられます。なかなか難しい問題ですが、そういう選択肢もあるのだと思います

 

ここら辺の問題が主なものではないかと思います。これらについて何回も何回もご夫婦で話し合うことが重要なのではないかと思います。言えることは不妊治療には年齢的に治療の終わりが必ず来るということです。そのため後悔の無いようにしていただければと思います。