黄疸とその原因と意味

黄疸とは身体が黄色に見える状態を指します。

それ以外には白眼の部分が黄色くなる、尿の色がひどく濃くなるなどの症状を伴う場合が多いです。

黄疸はなぜ生じるのか?

黄疸の身体を黄色くする元になっているものは、血液中のビリルビンの増加です。

ビリルビンは血液の赤血球の成分であるヘモグロビンが古くなったため作り直される過程で生じる代謝産物です。

ビリルビンの作られる場所と排泄されるルート

赤血球の破壊される場所(ビリルビンの作られる場所)

肝臓、脾臓、骨髓

主な排泄ルート

肝臓→胆嚢→胆管→十二指腸→大便(便が黄色いのはビリルビンの色)

黄疸の種類

肝前性黄疸(肝臓に入る前に赤血球が壊れ血液中にビリルビンが溶出して生じた黄疸)

肝実質性黄疸(肝臓の機能が低下し生じた黄疸)

肝後性黄疸(肝臓から十二指腸までの通り道が何らかの原因で詰りor細くなり、腸に行かず、血液中に過剰に入ってしまった結果起こる黄疸。閉塞性黄疸ともいう)

黄疸の種類別原因疾患

肝前性黄疸・・・溶血

肝実質性黄疸・・・肝炎・肝硬変

肝後性黄疸・・・胆石、膵炎、膵頭部がん、胆道がん

黄疸に用いる代表的な漢方薬

茵蔯蒿湯・・・便秘があり黄疸を伴う場合

茵蔯五苓散・・・黄疸に浮腫みを伴うもの

梔子拍皮湯・・・黄疸があり痒みを伴うもの

肝臓疾患と関連する腹水の原因

血性腹水・・・肝細胞がん、腹膜炎

漏出性腹水・・・肝硬変(門脈圧の亢、アルブミンの減少)

漢方的腹水発生の原因

漢方では水分代謝に関わっている臓器を脾、肺、腎と考えています。

これらの臓器に異常が生じると水分代謝に異常をきたすと考えています。

また漢方では肝臓は血液の量のコントロールと気の流れのコントロールも行っています。

この臓器に異常が生じると全ての臓器に気や血の供給がうまくゆかず水分代謝もみだれてしまうのです。

そのため肝臓の機能を高め、先ほどの脾、肺、腎の中の水分代謝の妨げとなっている臓器の働きを同時に高めてあげることが腹水を取り除く方法なのです。

腹水に用いる代表的な漢方薬

五苓散・・・尿の出が悪く、喉が渇く等の症状を伴うもの

柴苓湯・・・みぞおち~脇にかけて違和感があり腹水を伴うもの

茵蔯五苓散・・・黄疸に浮腫みを伴うもの