ここでは体外受精の病院選びですぐに役立つ16のポイントに絞って説明します。
このページを読んでいただきたい方は、これから体外受精の病院選びを始められる方、すでに体外受精を行っていて病院を変えたいと思っている方です。
ここで書かれている内容はうちの薬局で実際に体外受精を受けられている患者さんが漢方相談の中で話された生の声をもとに書いていますので、これから体外受精の病院探しをする方にとってすぐに役立つ内容となっています。
なぜ体外受精で病院選びが重要なのか
それは妊娠できるかできないかに大きく関わるからです。
それ以外にももう一つ重要なことがあります。
それは体外受精というのは人工授精などと比べて圧倒的に費用がかかります。
病院によって違いますけれども人工授精の20~30倍は当たり前です。
そのためうまくいかなかった際の費用的な面や精神的なダメージは通常の不妊治療に比べて格段に大きいのです。
なので体外受精の病院選びはより慎重に行うべきです。
体外受精の病院選びですぐに役立つ16のポイント
体外受精の病院選びの前に、とても重要なことがあります。
それは、体外受精しても全員が妊娠するわけではないのです。
確かに体外受精はタイミング療法や人工授精に比べれば妊娠率は高いですけれども体外受精の全国平均は大体28%前後です。
つまり体外受精を行っても3人に1人しか妊娠しないのです。
体外受精は魔法の治療法ではないのです。
1自分の身体の状態をまず知ることが基本
体外受精を受けようと思っている方の中には高齢のためにすぐに体外受精と踏み切る方もおられます。
そういう場合であっても、体外受精を受ける病院を決める前に詳細な検査を受けておくことが大事です。
なぜならその検査結果によって体外受精を受ける病院を変えた方が良いことがあるからです。
2体外受精の病院ランキングなどは参考程度にとどめる
インターネットで体外受精の病院探しをする際に体外受精の病院ランキングなどを参考にする方もおられると思いますけれども、それは参考程度にしてください。
なぜなら現時点では実情に即してないことが多いからです。
例えば広島の体外受精の病院ランキングで検索をかけると広島の不妊治療ができる病院のランキングが出てきます。
この病院ランキング、広島の方が作られているサイトでないためだと思いますけれども、広島で本当に実力がある、人気のある不妊治療の病院と違うところが最上位に来ていたりします。
どうしてこのような結果になるのかと言うと、たまたま口コミなどの書き込みをしてくれた人がその病院に多かったからだとおもいます。
どうしてそのようなばらつきは生まれるのかと言うと不妊治療を行っている人というのが多くないからです。
そのため、少数の意見がランキングに大きく影響を与えることになるのです。
もちろん東京や大阪のように人口が多ければ、それに比例して不妊治療の患者さんも多くなるので、そういうばらつきは減って参考になるかもしれませんけれども、地方に行けば行くほどそのばらつきが大きくなってきます。
そしてそれに伴ってランキングの精度は落ちてくるのです。
3卵巣機能の低下した方はホルモン療法よりも自然周期のほうが良いことが多い
高齢で不妊治療 を始めようと思っている方で不妊症の検査をした結果、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が20を超えてきているようなケース、もしくはAMH(卵巣年齢) が1を切っているような方はホルモン補充療法よりも自然周期の方が良い事が多いです。
その理由として一つにはAMH(卵巣年齢)が低いような形の場合は、ホルモン補充療法を行っても採卵できる数が1個とか2個とか非常に少ないことが多いため、対費用効果がものすごく悪いというのがあります。
もう一つはFSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高くなっている方というのは明らかに卵巣が老化して弱ってきているのです。
そういう人にホルモン補充療法を行うというのはいわば弱った身体にムチを打つのと一緒の事になるのです。
そのため、それがきっかけでさらに卵巣機能が著しく低下してそれ以降全く卵胞が育たなくなるようなケースが時々見受けらるのです。
そしてもし、一度そうなってしまうと元の状態に戻すことは 相当難しいです。
そのため卵巣が弱ってきている方の場合は刺激は少なめから始められた方が治療としては安全な気がします。
さらに付け加えると、自然周期をやっている病院であればどこでも良いわけではありません。
もし通うのであれば、自然周期による体外受精を得意としている病院に通うべきなのです。
そこで結果は随分変わったものになる可能性があるのです。
4体外受精の病院の成功率は細かくチェックしないと意味がない
広島の体外受精の病院を例に挙げてみます。
広島市内で体外受精で実績の出ている有名な病院・クリニックに広島HARTクリニックと絹谷産婦人科があります。
この2つのデータを詳細に比較してみます。
できるだけ同じ条件にしないと比較が難しいので2016年の体外受精の中の凍結杯移植と顕微授精に絞って説明します。
2016年顕微授精妊娠率 | 2016年凍結杯移植妊娠率 | |
広島HARTクリニックの治療実績 | 15.8% | 43.2% |
絹谷産婦人科の治療実績 | 23.0% | 33.7% |
このデータか読み取れることはご主人に特別な男性不妊の兆候が無ければ広島HARTクリニックの凍結杯移植で妊娠しやすいということです。
しかし亡精子症や精子無力症などの男性不妊症が存在するならば、顕微授精になるのでそれは絹谷産婦人科の方が妊娠しやすいということになるのです。
5体外受精の説明会は最低2つの病院に行ってみる
基本的に病院の説明会というのは悪いことは言いません。
当たり前です。
説明会というのはその病院に行きたいという思いにするために行なっているわけです。
そのため可能であれば二つ以上の病院の説明会に通ってみることをお勧めします。
1つでは差(違い)を知ることはできませんが2つを知ることで初めて差(違い)を知ることできるのです。
その違いを理解することで自分にとって何がいいのかはっきりしてくると思います。
6ホルモン補充療法の場合、体外受精の費用は病院て公表している金額の1.5倍位の心積もりが必要
体外受精の場合は人工授精に比べ費用も一気に高額になります。
病院の説明会やホームページに公開している費用もかなり高額ですけれども、実際にはそれよりも1.5倍ぐらいかかることが多いです。
それはなぜかと言うと、ホームページに書かれている費用の中にはその期間に用いる薬剤の費用が入っていないことが多いからです。
なぜ薬剤の費用が入っていないかと言うと、それは患者さんの身体のコンディションによって用いる薬剤の量が異なるからです。
しかし実際うちの薬局に来られている患者さんでチェックしてみるとそれほど大きな差異はなく、およそ、その薬剤の金額を合わせるとHPや説明会などで説明している1.5倍ぐらいの費用になることが多いのです。
例えば体外受精に40万かかるという風に書いていれば60万前後かかるというふうに考えといた方がいいです。
50万円ぐらいかかると書かれていれば70万から75万ぐらいかかるという風な心積もりでいると大きく外れることはないと思います。
そのぐらいの予算を考えておかないとすぐに予算オーバーして体外受精を継続することができなくなることがありますので注意してください。
7体外受精の費用は安いに越したことはないが安いのには安いなりの理由がある
この話はホルモン補充療法についての話が中心になります。
ホルモン補充療法の場合、不妊治療の費用は採卵から受精卵の凍結までの一連の過程で、固定的な費用がどこでもおよそ30万円~40万はかかります。
そこからプラスアルファされる費用というのが用いる薬剤料になるのです。
そのため、一般的に体外受精の費用が安い病院というのは使う薬材料が少ないことが多いのです。
卵巣機能が正常な不妊症患者さんの場合、卵巣の刺激量とそれによって取れる卵の数というのはある程度相関があります。
つまり刺激をしたら刺激をしたぶんだけ 採卵できる卵の数は増えるということなのです。
もう少し言い換えれば、使った薬剤量(刺激量)と取れる卵の数というのはある程度相関があるということです。
そのため体外受精で費用の安いとこを選ぶと、用いる薬剤量が少ない可能性があるため、最終的に採れる卵の数も少なくなる可能性があるのです。
なので、卵巣機能が正常の方の場合は、費用の安さだけで病院を選ぶと結果として何度も採卵から始めないといけなくなってしまうことも考えられます。
そうすると、本当に安くつくのかどうかわからい結果になってしまうのでよくよく考えてみてください。
8その病院が体外受精で有名なら、なぜその病院が有名なのかも調べることも重要です
人づてにそこの病院は不妊治療で有名だからという話を聞いて細かいことは確認せずに病院を選ばれる患者さんも意外に多くおられます。
でもどうして不妊治療でその病院が有名なのかまで調べておくことが大事です。
その理由をうちの薬局に来られていた患者さんのことで一つ例を挙げて説明します。
その方は30代前半で比較的若く不妊治療の病院でも特別な不妊の原因がはっきりとはしていませんでした。
不妊症としては軽めの方だったのです。
ただ、この方はとにかく早く妊娠したいという気持ちが先行していて、「とにかくどこでもいいから不妊治療で有名な病院で言って早く妊娠したい!!」という想いが強く、広島の方ですが、九州のセントマザー という不妊治療で有名な病院に通い始められたのでした。
このセントマザーと言う病院は確かに不妊治療で有名なのですけれども、なぜ不妊治療で有名になったかと言うと、男性不妊、特に無精子症の治療が全国でもトップクラス なのです。
芸能人の方でダイヤモンドユカイさんという方が男性不妊の無精子症であるにも関わらず不妊治療で妊娠されたという話が記憶に残っている方もおられると思いますけれども、このダイヤモンドユカイさんが不妊治療を受けたのがセントマザーなのです。
そしてセントマザーは男性不妊は確かにトップクラスですけれども一般的な体外受精に関しては標準的な治療を行っていて実績も飛び抜けて高いというわけではありません。
そしてこの方のご主人というのは無精子症でもありませんでした。
そしてこの方はそういうことを知らずにセントマザーで体外受精を何回が受けたのですけれども、広島からわざわざ九州まで行く手間、費用などに比べて実際の体外受精の結果は思わしくなく全く妊娠する気配はありませんでした。
実際の治療法も以前受けられていた広島の不妊治療のクリニックの治療とほとんど一緒でした。
結局かかったのは予想以上の費用と労力と時間でした。
私は正直この方は地元の広島市内の普通の体外受精を受けられるクリニックで治療を受けてもおそらく妊娠したと思いますけれども、どうしても早く妊娠したいということだったので神戸の病院をすすめて妊娠され出産に至りました。
9先生(お医者さん)の人柄や相性も長く続けていく上では重要
元々不妊治療される方というのはそんなに不妊治療が長く続くとは思っていない方が大半だと思います。
しかし思っていたよりも実際には時間のかかることの方が多いのです。
そうすると不妊治療(体外受精)での様々なことが積み重なってストレスないり、途中で不妊治療を諦めてしまうことも出てきてしまいます。
そうならないためには、できるだけストレスなく続けられるような環境であることが重要です。
その中でもお医者さんとの関係は大事な要因の一つです。
ただし初めて行った病院や説明会で先生(お医者さん)の人柄を知るというのはなかなか難しいことです。
先生(お医者さん)の人柄を知る方法としては完全につても紹介もないのであれば口コミに頼るしかありません。
ネットでの口コミもしくはその病院に行っていた患者さんの評判みたいなものを聞くのがいいと思います。
しかし実際その病院のや先生の評判を聞くには自分が不妊治療を考えているという話をしないといけなくなります。
しかし自分が不妊治療やっているというのを人に知られるのもなかなか嫌なものです。
そのために体外受精を受ける前に、その気になっている病院で不妊の検査だけ受けてみるというのも一つのやり方です。
そうすると検査される際に病院のなんとなくの雰囲気というのも分かっきますし、検査結果の解説はその病院の先生(お医者さん)がしてくれるのが普通です。
そこでお医者さんの何となくの雰囲気も理解できると思います。
それでもピンとかない場合はタイミング療法もしくは人工授精可能であれば1回ぐらい行ってみてそれに対しての病院や先生の様子というのを見てみても良いのではないでしょうか?
10病院の口コミを読むことは必須だが、あまりにも片寄った口コミ数には注意した方がよい
最近では病院の口コミサイトも多くなってきていますが、そのサイトの中の気になっている病院の口コミサイトを読むこともとても大切なことです。
ただし気を付けないといけないのは、他の病院やクリニックと比べてその病院だけがやたらと口コミが多い場合は、意図的にその病院に誘導しようとする意図があるかもしれませんので注意が必要です。
11気になっている病院(医師)のブログが複数あれば読み比べてみる
体外受精で通いたいと思っている病院のブログがあればそれも読んでみることをお勧めします。
もし通いたいと思ってる病院(医師)のブログがあればそれも読んでみてください。
その病院の雰囲気はなんとなく分かるのではないかと思います。
ただし、そこで注意してもらいたいことがあります。
他の身近で不妊治療を行っている病院のブログあればそれも読み比べてもらいたいのです。
それはなぜかと言うと、お医者さんとか医療スタッフが公的に書くブログの内容にはどうしても限界があるのです。
そのため内容的に堅いであるとか面白くないというようなところもあるかもしれません。
しかしそれはその先生とかそのスタッフが面白くないということではない場合があります。
病院で書くブログというものにある程度のトーンとか書いていいレベルみたいなものが存在するのです。
そのためそれを差し引いて読むべきなのです。
そのために他の病院のブログと読み比べてここのブログはどんな感じなのかというとこからそこの病院の雰囲気や先生の人柄など知るということが大事なのではないかと思います。
12気になる病院に通っている人のブログもチェックしてみる
気になる病院に通っている人のブログを検索してみてあればいくつか読んでみてください。
そのブログを読んでみて病院の書かれているブログを読み比べてみてそこにギャップがあるようであれば、その病院というのは言ってることとやってることが違うということになります。
ただし一人の意見であると偏りがありますのでいくつかのブログがあればそれを読んでみることをお勧めします。
13働きながら体外受精を受けたい人は通い易さも重要なポイント
働きながら体外受精を受けようと思っている方は通い易さも重要なポイントになります。
その不妊治療の病院・クリニックの診療時間(最終受付時間)、土日の診療の有無や診療時間、職場からのアクセス。
すぐに入れる駐車場が近くにあるか?
託児所やキッズルームを併設しているか?もしくは近くにそういうものがあるか?
など様々な点を考慮して病院選びをする必要があります。
14体外受精の際のHCGなどが自己注射かどうかはかは通う回数に関わる大事な問題なので確認しておこう
体外受精のホルモン治療を行うとHCG などのゴナドトロピン製剤を注射する治療が行われます。
それが自己注射なのか病院に通わないといけないのかによって病院に通う回数が大きく変わってきます。
もしその病院が通院によってホルモン注射をする病院であれば、働きながら不妊治療しようとする患者さんは注射を打つためだけに週に何回も病院に通わないといけなくります。
これは予想以上の手間と労力です。
これが自己注射であれば随分楽なので治療の負担軽減になります。
そのため体外受精の病院の受け付けや説明会の際に自己注射なのかそれとも病院に通わないといけないのかはきっちり確認しておきましょう!!
15あらかじめ病院選びでチェックすべき項目は一覧表にしておく
体外受精の病院選びでチェックすべき項目を一覧表にしておくことは、あまりされてない方の方が多いと思いますけども意外に重要です。
それをすることによって自分の頭の中が整理されます。
そしてそれを整理することで、あなたが体外受精の病院選びに関して調べなければならないこと、知るべき内容など、自分自身のこだわりみたいなものがはっきりしてきます。
16調べ方ごとに項目を分類して調べていく
このチェックすべき項目と調べ方ごとに項目を分類して調べていくという作業はご主人に協力してもらえると効率的だと思います。
このやり方をすることで 調べる 作業が効率的になりなおかつ調べる内容に関して漏れもなくなると思います。
その分類方法に関しておおよその分類について書いておきます。
病院のホームページでチェックできるところ はチェックしておく
病院のホームページでチェックできるところというのは診療時間、先生の数、あとは詳しく書かれていれば、体外受精の成績と体外受精の費用、ここら辺はホームページに書かれていることが多いので確認してみてください。
口コミ情報などでチェックするところ
お医者さんの人柄、看護師さんの人柄、実際に病院でかかった費用
受付などで確認してもいい事
病院の待ち時間(曜日や時間帯の込み具合の目安)、最終受付時間、体外受精のHCGなどの薬剤が自己注射か通院かどうか?
託児所やキッズルームがあるか、子連れでもOKか?近くに駐車場などがあるか?
まとめ
いかがでしたか?
体外受精のための病院選びはとても重要です。
ただし、単純に不妊治療で有名であるとか、評判がよいとかだけで病院を選ぶのは危険です。
大事なことは自分の身体の状態とその体外受精の病院の考え方や治療法が合っているかどうかなのです。
単に口コミ数が多いとか、評価が高いとかだけで判断するサイトが多いので、
その不妊治療の病院が自分自身に合う病院なのか?ということを念頭に書いてみました。
もし、不妊治療全般の病院選びに関するポイントを知りたい方は不妊治療で失敗しないための病院選び8つの重要ポイントを参考にしてください。
広島で不妊治療を考えておられる方は広島の不妊治療の病院おすすめ9選とは?や不妊治療のための広島近郊の病院探しのワンポイントアドバイスのページを参考にしてください。