HPを見て患者さんが来られました。

ご相談内容は起立性調節障害ということでした。

約2年前に耳鼻科で診断を受けたそうです。

症状としてはフラフラとかフワフワするというめまいに近い症状が出るそうです。

ただし、通常の起立性低血圧の方のような立ち上がった瞬間にクラクラしたりとかはではなくて、ずっと立ち続けていると症状が出てくるそうです。

でも自宅では症状は出なくて、学校に行くときや学校にいるときに症状が出るそうです。

病院で昇圧剤では自律神経抑制剤などが出て治療をしてみたそうですが、良くならなず現在は学校を休んでいるそうです。

また、過去の病歴などもお伺いしました。

そうすると過換気症候群に以前なったことがあるということでした。

やっぱり、自律神経が乱れやすかったり、メンタル的な面が弱いのかもしれません。

それから、この病気になったきっかけや原因に心当たりがあるかどうかについてご本人にお伺いしました。

きっかけは2年前に学校に行くために電車に乗っていたら急にフワフワする感じと動悸が出てきたそうです。

漢方治療イメージ

原因に関しては心当たりが無いということでした。

私がこの患者さんを見て気になったのは恐ろしくやせ形で背が高いのです。

背が高いということは脳まで血液を運ぶためにはそれなりの血圧が必要になるということです。

しかし、やせ型なのでもともとの血圧も低い可能性が高いですし、実際、病院で昇圧剤を出されていたことからも血圧が低いということが分かります。

そして本当に体重が少ない・・・身長は180cmくらいあるのに体重が50㎏無いということでした。

部活(運動)は何かやっているか?をお伺いしたところ何もやっていないということでした。

でも中学、高校は基本元気で問題なく学校に通っていたそうです。

それからあと一点、現在の大学にふや不安や不満が無いか?をお伺いしたところ、特にないということでした。

そこで改めて東洋医学的な問診とそれ以外のチェックを行いました。

そこで、この患者さんに合うと思われる漢方薬をとりあえず1週間分お出しして様子をみることにしました。

また、この患者さんにはご自身でできる養生法をお伝えして日ごろやってもらうようにお願いしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

微妙にめまいは減っているそうです。

良かった・・・

漢方薬イメージ

そこで、再度身体の状態をチェックして、漢方薬をチェックして合っているかどうかを確認して、養生法を実践されているか確認して・・・

漢方薬は合っているように思われましたし、養生法もコツコツされていたので、このままのお薬で今度は2週間分お出しして様子をみていただくことにしました。

そして次に2週間後来られた際にはめまいはまたもう少し減ったそうです。

ただ、自覚症状としては身体がだるい、外食に行ったら喉が詰まった感じになったということでした。

そこで再度漢方薬をチェックすると少し漢方薬が合わなくなってきている気がしたので、その点を修正してまた2週間分お出ししました。

さらに2週間後来られた際に様子をお伺いすると、めまいは横ばいで、この間スーパーに行ったらちょっと気持ち悪くなったそうです。それと、最近、首が重だるいそうです。

そこで、身体の状態を再度チェックしなおしたところ、漢方薬を追加したほうが良さそうだったので、患者さんに了解を得て追加させていただきました。

そして、また2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・めまいはまだあるそうです。

ただ、外食した時の気持ち悪さと首の重さに関しては改善しているそうでした。

ただ、ここ最近起きたらふくらはぎののあたりがだるいということでした。

そこで、また漢方薬を見直し、また若干修正を行いました。

そして、また2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

養生イメージ

めまいは減ってきているそうです。そして首の重みも減ってきたとこのことです。また、スーパーに行っても大丈夫だったということでした。

そこで、再度身体の状態および漢方薬が合っているかどうかをチェックすると・・・

もう少し修正が必要に思いました。

そこで修正したものをまた2週間分お出しして様子をみていただくことにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

めまいは毎日ではなくなったそうです。首の重さも大丈夫です。外食も問題なくできるそうです。そしてスーパーに行っても大丈夫ということでした。

そこで、それ以降は大体3週間間隔でご相談に来られました。それでも最初の頃は1週間に2回程度めまいが残っていたそうですが、漢方薬服用開始してから約4か月で外出時のめまいは無くなりました。ただ、外から室内に移動したときにちょっとだけめまいが出ることがあるということでした。

そこで漢方薬を再びチェックしてみましたが、まだ合っているように思えたので漢方薬は変更しませんでした。

体質改善イメージ

そうすると、その後約1ヵ月で症状は改善したということでした。

ここまでで約5か月経過していました。

さらにここからは症状はほぼ出なかったですが、体質改善のために同じ漢方薬をさらに5か月服用していただきました。

その間にこの患者さん、学校に行けるようになりました。

そして漢方治療を開始してから約10か月恐らく、もうで起立性調節障害は再発しないだろうと思われたので、漢方治療を終了することとなりました。

最初はどうなることかと思いましたが、現在は普通に学校に通えていますし、様々な症状も出ていないということで、本当に良かったです。

ホッとしました。

これ以外に自律神経失調症の症例に興味のある方はこちら

起立性調節障害に興味のある方はこちら

自律神経失調症や起立性調節障害苦いの症例や漢方の知識などに興味のある方は公式Instagramもご覧ください