ご家族の紹介で患者さんが漢方相談に来られました。

ご相談内容は膝痛です。

膝痛で漢方は意外に思われる方も多くおられるのですが、実は整形外科の痛みに漢方薬は意外に使えるのです。

そして、膝痛は私の得意分野の一つです。

もちろん、西洋医学の痛み止めのように、今日飲んで明日効くまでの即効性は無いですが、継続的に服用すると、徐々に体質改善して、最終的には漢方薬を飲まなくても症状が出なくなるようになることが多いのです。

西洋の痛み止めは即効性はありますが、止めればまた痛みが出てくるため、ずっと飲み続けないといけません。

その部分が西洋医学と東洋医学の違いなのではないか?と思います。

少し脱線しましたので話を戻します。

漢方治療イメージ

この患者さんが膝痛になったきっかけですが、この患者さん、山歩き(軽登山)が趣味なのだそうです(話としては週末に標高の高くない山(標高数百m位~1000m位)を登ったり、山の稜線に沿って山々を縦断されたりしていたそうです)が、それをされていた際に痛めたそうです。

膝を痛めてから5か月経過しているのにも関わらず、一向に良くなる気配も無く、日常生活にも支障が出てきたということでご相談に来られたのです。

そこでまず、痛みの部位がどこか?をお伺いすると・・・左の膝の内側のやや下側ということでした。

痛みの質としてはズキズキでハッキリとした痛みだそうです。

そして、どういう時に痛むのかお伺いすると・・・当然、山歩きをすると・・・というかできないくらい痛いそうです。

それ以外に立ち上がったり、しゃがんだりする時、身体の向きを変えるための急な方向転換や朝起きた時の起き始めの時間帯なども痛いということでした。

日中は特別な負荷をかけなければ大丈夫ということでした。

天気は関係しないということでした。

これらの話にさらに東洋医学的な問診や舌診やその他の東洋医学的なチェックを行いこの患者さんに合うと思われる漢方薬を見つけることが出来ました。

体質改善イメージ

そこでその漢方薬をお出しして大体2週間間隔ご相談に来られました。

ただ、服用されてから1か月は全く自覚症状が変化しませんでした。

通常であれば、漢方を止めてしまいそうですが、ご家族の方も一緒に来られていて、確実に症状が改善しているところから信用していただいて継続されたのだと思います。

困ったこと今、出ししている漢方薬がベストだと思われるので、あれこれ変えてしまうと反って改善が遅くなるため、患者さんにももう少し辛抱してほしいというお話をしました。

この患者さんがハッキリと漢方薬が効いていると実感されたのは約3か月経過したくらいからでした。

通常は1ヵ月くらい服用すれば何らかの部分に改善がみられるものですが、この患者さんは何故か改善に時間がかかっていました。

そして服用から5か月で山歩き(軽登山)を再開できるくらいまで改善しました。

ただし、またこのくらいの改善だと、負荷をかけると(膝を酷使すると)また痛みが出てくる感じでした。

そして服用から7か月くらいで基本的には痛みが出なくなりましたが、座卓に座る(あぐらをかく)と痛みが少しでるということでいた。そして服用9か月で山歩き(軽登山)をしても痛みが出ないところまで来ました。

そして、服用から11か月で症状としては全く出なくなり、ここから減薬をスタートしました。

そして徐々に減薬していき、14か月後には完全に漢方薬を抜きました。

それで山歩き(軽登山)にいっても痛みは一切出なくなったため治療は終了(卒業)となりました。

思ったよりも時間はかかりましたが、後半は順調に改善したところからきっと山歩き(軽登山)で最初に痛めた度合いが酷かったのだと思います。

まあ、とりあえず、良くなって本当に良かったです。

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