紹介で患者さんが来られました。

症状は喘息ということでした。

2年前位から症状が出始めたそうで、でも酷くなったのは去年くらいからだそうです。

去年は2回喘息発作を起こして、その度に病院に4~5日間入院したそうです。

現在は病院に時々通って吸入剤をもらっているそうです。

ただし、ステロイド入りの吸入薬はめったに使わず、しんどくなったら非ステロイド性の気管支拡張作用のある吸入剤を使っているそうです。

軽い喘息症状は週に何回か出るということですが、本当にひどい喘息は2か月に1回程度だということでした。

それ以外にアレルギー性鼻炎もあり、抗アレルギー剤を服用されているとのことでした。

また、既往歴としてはもともと小児アトピーがあったそうですが、現在は落ち着いているとのことでした。

それ以外に、アレルギーテストでダニにかなり反応しているとのこと。

また、学校の体育の授業の後で喘息が出やすい。

漢方治療イメージ

食べ物ではニラが合わない(体調が悪化する)とのことでした。

そこでさらに東洋医学的な問診を行いました。

そうすると、実際の喘息は幼稚園の頃からあったみたいで、当初言われていた発症時期よりもはるか前から発症していたことになります。

そしてこの喘息になった原因についてお伺いすると、良く分からないということでしたが、この年齢から発症して、アレルギー性鼻炎や過去にアトピー性皮膚炎があったことからも、体質的な問題なんだろうと思いました。

そこからさらに別の東洋医学的なチェックを行い、この患者さんに合うと思われる漢方薬を出してみることにしました。

それは煎じ薬でした。

通常は粉薬があれば、それで対応することが多いのですが、この漢方薬は市販されておらず、煎じ薬でしか出しようがなかったのです。

そして、大体2~3週間間隔で来てもらうことにしました。

漢方を服用されて1か月、2か月と経過し、本当に少しずつですが、順調に改善していきました。

そして3か月、4か月と経過し、去年、去年喘息発作が出て入院した同時期も比較的順調に過ごすことができました。

5か月を経過した頃、体調的には悪くないのですが、東洋医学的にチェックすると、今、治療している漢方的(東洋医学的)な原因よりももっと深い原因が別にあるように感じ始めていました

それと同時に現在服用されている漢方薬が少しづつ合わなくなってきている気がしていました。

体質改善イメージ

それでもその段階ではまだ今服用されている漢方薬が合っている気がしたので、同じ漢方薬をお出ししました。

そして、その3週間後に来られた時には、たまに喘息っぽくなってしんどいときがあるというお話で、さらに2週間後に最近調子があまり良くないと言われたのです。

ここで東洋医学的にみて、明らかにこの漢方薬が合わなくなっているという反応が出ていました。

そのため、この漢方薬を一旦中止してもらうことにしました。

そして、もっと根本的な体質を改善するための漢方薬を探してみることにしました。

残念なから、その時には即答することができず、少しお時間をいただいて、今の喘息の状態やもともとの体質を加味していろいろ考えてチェックしなおしてを繰り返して、やっと納得のいく漢方薬の組み合わせにたどり着きました。

その漢方薬を服用していただいて2週間経過してから、再度来られた際にお体の状態をお伺いすると・・・

喘息は全く出ていないそうです。

そして、今まで寝つきが悪かったそうなのですが、すぐに眠れるようになったそうです。

寝つきが悪いの知りませんでした。

患者さんも、もともとそうだから気にも留めていなかったみたいですが、眠れるようになったことで初めて自分の眠りが悪かったことを自覚したようです。

根本的な体質改善の薬が見つかると、予想外の部分が改善することがあるのです。

そして、東洋医学的にチェックしてもバッチリ合っている感じでした。

そのため、そのまま漢方薬を継続してもらうことにしました。

とりあえず、治療のめどがついて良かったです。

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