紹介で患者さんがご相談に来られました。

相談内容は気力が出ないとのことでした。

どのくらい前から症状があるのかお伺いすると訳3年前からだそうです。

どうしてそうなったか?に関してのきっかけや原因について心当たりがないか?をお伺いすると、親御さんの介護やお子さんの学校関係に関する問題でかなり消耗されたそうです。

それから、気持ちが浮上せず、毎日生活するのもやっとだということでした。

さらに詳しくお話をお伺いすると介護はご自身の親御さんとご主人の親御さんのダブル介護だったそうです。

お子さんの問題も結構ハードで、ちょっと内容をかくことは控えた方がよいと思いました。

とにかく朝が調子悪く、夕方になると調子が回復してくることが多いそうです。

天気の悪い日も調子が悪く、季節の変わり目も調子が悪いそうです。

そして、以前は働きながら家事も、育児もこなしていたそうですが、今は仕事もできなくなり、家事もかなりおろそかになりがちで、本当に最小限のことができるかできないか?というレベルだそうです。

漢方治療イメージ

もともとは社交的だったそうですが、今は外に出るのも億劫で友達と約束をすることもほとんどなくなったそうです。

なかなか大変そうです。

そこで、さらに漢方的な問診やそれ以外の東洋医学的なチェックを行い、この患者さんに合うと思われる漢方薬を出してみることにしました。

そして、生活上のアドバイスも併せて行いました。

そして2週間だいたい1~2週間間隔でご相談にきていただきました。

漢方薬を服用されて、最初の2週間くらいまでは、今まで以上に眠くなり、日によっては1日中寝てしまう日もあったそうです。

これは過緊張が続いて体調を崩された方の場合、身体の緊張がほぐれてきている良いシグナルなのです。

そのことを患者さんに説明して、特別それを心配する必要がないことをお伝えしました。

あとは久しぶりにお友達とランチをされたということでそれも良いことだとお伝えしました。

そして1か月後ははっきりとご自身で体調が上向いてきていることを実感されました。

嫌な事があっても比較的短時間で立ち直れるようになっているし、基本的にプラス思考に変わってきているそうです。

ただ、漢方も効果もあるのでは?と言われていましたが、今までよりも食欲が出てきてそれは少し困っているとのことでした。

さらに1か月後にはお子さんから、前よりキレなくなったと褒めてもらったそうです。そしてイベントや学校の行事があると翌日は死んだように寝ていたそうですが、翌日もちゃんと起きれるようになったそうです。

うつ症状改善イメージ

ただ、後頭部の凝りとと右耳のキーンという耳鳴りが気になるということでした。どちらも緊張によって生じる症状ですが、こういう日々出てくる症状をその都度治療するより、根本的な体質を治療することの方が大事なので、そのことを患者さんにお伝えして、漢方薬は変えずにまた様子をみていただくことにしました。

さらに1か月後には精神面は落ち着いてきていました。

ただ、季節柄夏だったため、精神面ではなく、夏バテやら食あたりやらで胃腸の調子をずいぶん崩されていました。

心と体は当たり前ですがつながっているので、精神面も若干そこに引きづられている感じでした。

そしてさらに1か月後、ご本人曰く、この夏は元気に動けたそうです。去年の夏は最小限の買い物以外、外に出れなかったそうですが、今年はお子さんと楽しく一泊旅行ができたそうです。

ただ耳鳴りは変わらず気になるそうです。

ここで1回漢方薬を微調整しました。

そして1か月後、お子さんがコロナになって大変だったそうですが、それもちゃんと乗り切ったそうです。

そして今までできなかった家事もこなせるようになったそうです。

次の月も精神的には落ち着いていたそうです。ただ、ホルモンバランスのせいか?頭痛が連続してきて、それが辛かったそうです。

さらに1か月もそこまで悪い感じもないそうです。基本的には安定してきたなという印象でした。

そこからはちょこちょこ頭痛や耳鳴りなどはありましたが、概して症状は落ち着いていました。

そして、ご相談に来られてから1年で漢方薬は必要無い状態まで来たと判断して治療を終了としました。

3年患ったものが1年で改善して漢方薬も卒業できたので良かったと思います。

このような症状の漢方治療に興味ある方はこちらのページを参照してください