ホームページを見て患者さんが来られました。
症状は子宮筋腫です。
この方30代の女性ですが、すでに子宮筋腫の大きさが13cmもあるそうです。
このくらいの大きさになると通常、病院で手術を受けるのが普通ですがいこの患者さんは手術をできれば受けたくないということでご相談に来られたのです。
漢方で子宮筋腫の治療を行う場合、患者さんの握りこぶしの大きさまでは治療が可能といわれています。
女性の握りこぶしの大きさを考えると、恐らく5~6cm、大きくても7cmくらいまでなのではないか?と思うのです。
そうすると、この患者さんの子宮筋腫の大きさ(直径)は、さらにその倍なわけです。
これを体積で考えるともっとすごいのです。
子宮筋腫を球として考えると、球の体積の求め方は以下のようになります。
球の体積(Ⅴ)=4/3πr³です。がもう少しかみ砕くと
球の体積(Ⅴ)=4/3×円周率×球の半径×球の半径×球の半径です。
子宮筋腫の大きさ(直径)が倍なら、当然半径も倍大きいわけです。
ここに具体的に数値を入れてみるとより実感されると思うので具体的に数値を入れてみます。
6.5cmの子宮筋腫と13cmの子宮筋腫の体積の違いを数式に当てはめて計算してみます。
6.5cmの子宮筋腫の半径は3.25cm
13cmの子宮筋腫の半径は6.5cm
です。
6.5cmの子宮筋腫の体積は
4/3×3.14(円周率)×3.25cm(球の半径)×3.25cm(球の半径)×3.25cm(球の半径)≒143.72㎤
になります。
13cmの子宮筋腫の体積は
4/3×3.14(円周率)×6.5cm(球の半径)×6.5cm(球の半径)×6.5cm(球の半径)≒1149.76㎤
になります。
13cmの子宮筋腫の体積(1149.76㎤)を6.5cmの子宮筋腫の体積(143.72㎤)で割ると大きさの比較ができます。
13cmの子宮筋腫の体積(1149.76㎤)÷6.5cmの子宮筋腫の体積(143.72㎤)=8
つまり、見た目の横の長さが倍大きいと、実際の体積は8倍になるということです。
これをイメージしやすいものに置き換えると
6.5cmの子宮筋腫を軟式野球のボール1個分
13cmの子宮筋腫は軟式野球のボール8個分
に相当するわけです。
6.5cmの子宮筋腫を治療で小さくするのも大変なのに、その8個分に相当する13cmの子宮筋腫を小さくするのは本当に難しいのです。
そのため、患者さんの握りこぶし以上の大きさの子宮筋腫の治療は難しいというお話をしたのですが、どうしても治療してもらいたいといういうことで、小さくはならない、良くても大きさの維持くらいというお話をしてから治療を開始しました。
子宮筋腫も1~2cmなら数か月で消えることもありますが、ある一定以上大きくなると治療は年単位になります。
この患者さんは年単位でみて、大きくならなければかなり良いのではないか?と思っていました。
ところが実際、漢方薬での治療を始めて1年経たない間に13cmが5cmまで小さくなったのです。
さっきの軟式ボールに例えると8個分あったものが1個分にまてなったのです。
この患者さんに関しては何回か漢方薬の組み合わせなどは変更したのですが、小さくなった時に用いていた漢方薬は普段あまり使わないものでした。
ただ、この漢方薬で小さくなったので、他の患者さんにも使えるかチェックしてみたのですが、他の子宮筋腫の患者さんには合わないようでした。
おそらく、子宮筋腫の大きさも含め、この患者さんが例外的なのだと思います。
そして、この漢方薬の効果も頭打ちの気がするので、漢方薬の変更が必要になる気がしています。
それでも思った以上に小さくなってホッとしています。
さらに子宮筋腫に興味のある方は→子宮筋腫のページ