紹介で患者さんが来られました。

症状は起立性調節障害(立ちくらみ・めまい)です。

ただし、過去に病院で検査を受けたところ、その病院ではあまり詳細な検査は行わず、血液検査で貧血などをチェックし、貧血の問題は無いという判断で、座った状態での血圧のチェックを行い、これも問題ないということで異常はないという形で終わったそうです。

そのため、起立性調節障害(立ちくらみ・めまい)の症状はハッキリとありながらも、治療は全く受けていないということでした。

そこで、この起立性調節障害(立ちくらみ・めまい)についてもう少し詳しくお伺いすることにしました。

この症状が出始めのがいつからかお伺いすると、中学生の頃かだそうです。

年数は思ったよりも経っていました。

そしてこうなった原因についてお伺いしたのですが、特に心当たりはないとのことでした。

どういう時に症状が出やすいか?についても聞いてみましたが天候などは全く関係しないようです。

そういうことではなく、朝、寝起きで布団から出てたちがる時は症状がでるそうです。

そして、椅子に長く座っていた後に立ち上がると出やすいそうです。

また地べたに座るか、しゃがんでいて立ち上がる時はほぼ100%症状が出るそうです。

これらのことからも、ただのめまいというよりは立ち眩みであることはほぼ間違いないと思いました。

そして、この患者さんの身長はかなり高く、その割に、体重がかなり少ない、やせ型であること。

部活は運動部ではなく体力の使わない文化部であることなども影響しているのではないか?と思いました。

そして、漢方的な体質を知るための質問を行い、現在の症状と照らし合わせて、この患者さんの起立性調節障害(立ちくらみ・めまい)にもっとも妥当と思われる漢方薬を出してみることにしました。

漢方治療イメージ

そして、2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

何も変わらなかったそうです。

うーん・・・

漢方理論的にも感覚的にもベースとなる漢方薬は合っているのではないか?と思うのですが、どうも組み合わせに問題があるのかもしれません。

しかし、この時には結局、ふさわしいと思える漢方薬を見つける事が出来ず、結局1週間待ってもらう事にしました。

そして1週間の間、色々な漢方薬との組み合わせを検討して、これかな?という候補を一つ見つけました。

それを服用していただいて、2週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・

多少良い気がするとのこと。

具体的にお話をお伺いすると、寝起きの立ち眩みの症状は最近はあまりないとのことでした。

そして地面から立ち上がる時の立ち眩みは全く無くなったわけでは無いけれど、緩和されたそうです。

良かった~・・・

少しホッとしました。

 

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