体重減少性無月経の治し方について

体重減少性無月経は、主にダイエットなどが原因で急激に体重が減少することで無月経となってしまう病気です。

そのため体重減少性無月経は不妊症全体として考えれば、微々たる数ですが、そんなことでなくこれは治療で考えれば最優先に治療すべき病気です。

ここでは体重減少性無月経の治し方などについてできるだけコンパクトに書いてみたいと思います。

まず結論的な部分から先に書いていきます。

体重減少性無月経の治し方で最も重要なのは体重を元に戻すことです

これが体重減少性無月経の治し方の最重要事項です。

漢方薬とかサプリメントとか飲む前にまずごはん(食事)をしっかり食べる(摂る)ことが何より重要なのです。

ただし体重減少性無月経になる原因は摂食障害によるものが圧倒的に多いのですが、運動のし過ぎによってもなることもあります。

もともとがやせ形で、トレーニングのし過ぎによって体脂肪率が低下して生じるケースもあります。

こういうものをスポーツ性無月経というのですが、だいたい体脂肪率が17%を切るとかなりの確立で無月経になります。

そのためものすごく鍛えていなくてももともとが、かなり痩せている場合は結果としてスポーツ性無月経になる場合もあるということです。

スポーツ性無月経にしても治し方の基本は一緒です

今までよりもトレーニングによる負荷を減らしにまずごはん(食事)をしっかり食べる(摂る)ということが重要なのです。

体重を早く戻せぼ戻すほど自然に治る確率は上がります

これも非常に重要なことです。

できるだけ早く体重を元に戻すことです。

早めに体重が戻った人のほうが自然に治る確率は上がります。

そのため、体重が元の状態になるよう食事や運動に気を付けた方が良いわけです。

ただしストレスが引き金となって拒食になり体重が減少しているようなケースはあまり急ぎすぎるとそのこと自体が本人のストレスとなって拒食が改善しなかったり、逆に過食となってしまったりなどの問題を生じる場合もあります。

そのため、体重減少性無月経になられた方の身体と心の状態を見ながらできる範囲で体重を戻してゆくことが重要です。

心のケアが必要になることもあります

上のところで書いたストレスが引き金となって拒食になり体重が減少しているようなケースとは別で、ストレスが原因で食事はとれているにも関わらず、突然無月経になることがあります。

これはストレス性無月経というもので、ストレスによって女性ホルモンの最も高次の中枢である視床下部の働きが乱れて、女性ホルモンの働きがおかしくなり結果として無月経となってしまうものです。

そのため、こういう場合には心のケアが必要になることもあります。

ここまで書いてきて、体重減少性無月経に関して、どんな原因にしろ共通して重要なことがあります。それは

体重減少性無月経を放置しない

ということです。

これがとにかく重要です。

まずは産婦人科を受診することをおすすめします。

体重減少性無月経は若年(思春期)におおい疾患ですが、月経が無い原因が妊娠によるものであることが稀にですがあります。

そこらへんも含めて一度は専門の病院で血液検査によるホルモン測定や内診、超音波診断(エコー)などをおこなって総合的に判断してもらうべきだと思います。

場合によっては一時的にホルモン剤の投与などが必要になるケースもありますが、とりあえず、放置しないことが重要です。

体重減少性無月経の漢方治療

体重減少性無月経の漢方治療についてですが、体重減少性無月経だから必ずこの漢方薬を使うと言いうような漢方薬はありません。

漢方はそもそもその人の体質に応じて出すものなので、どの薬を出すかは人によって異なります。

体重減少性無月経を生じさせた漢方的な原因は血虚(栄養不足、女性ホルモン不足)、お血(血流障害)、肝気鬱結(ストレス・自律神経の乱れ)などです。

これらが単独で体重減少性無月経を起こしていれば、それに合う漢方薬を出しますし、原因が2つ、3つあれば、漢方薬も2つ、3つ同時に使うことになります。