今まで過去に来られた早発閉経の患者さんで、同じ温熱療法を受けられた患者さんや、温熱療法を受けを受けようかどうか悩まれていた患者さんなどが結構おられましたので、早発閉経と温熱療法について私の思うところを書いてみたいと思います。
早発閉経の方が温熱療法を受けるとき
まず、早発閉経の方が温熱療法を受けられるべきか?受けられないべきか?まず大きな部分の判断が必要になると思います。
つまりそれは温熱療法にを受けて効果があるかどうかということです。
まず温熱療法の効果は人によって違うということです。
めちゃめちゃ当たり前のことです。
ではどういう人に効果があってどういう人に効果がないのでしょう?
まず重要なのは冷え性があるかどうか?です。
温熱療法というのは温めてその症状を改善するのを目的としているわけです。
そのため、冷えによって、代謝が悪くなって、身体の機能が落ちて、早発閉経になった⇒みたいな状態の時により効きやすいわけです。
逆に効果が薄い可能性が高いのは、ストレスが原因で早発閉経になってしまった患者さん
食事制限がきっかけで体重減少性無月経から早発閉経になった患者さん等
多分、このような原因の方は温熱療法やっても 効果がない可能性が高いと思います。
温めてもストレスは改善しませんし、温めて体重も増えません。
ここまでがまず温熱療法の前提になると思います。
温熱療法について
では冷え性があって早発閉経になったとしてどのような温熱療法を受ければ良いのでしょう?
それではまず私の知っている温熱療法を列挙してみたいと思います。
まずみなさん意外と軽視しているのはお風呂です。
私が不妊治療の漢方相談で必ず聞く項目の中に、湯船にちゃんと使っていますか?というものがあります。
この答えとして意外にも多いのが、冷え性があるというのにシャワーで済ませるという人です。
お風呂というのは実際には治療というよりもむしろ養生法(養生法とは、自分の生活上の改善点)の一種と考えた方が良いかもしれません。
けれどもとても重要なものです。
お風呂1日入ったからどうなるとか1日入らなかったからどうなるということは実際には全くないです。
けれども日々の積み重ねよって改善してくることもあります。
そして何より漢方薬を服用する場合、薬は身体の隅々まで行き渡った方が良いわけです。
漢方薬を飲んでお風呂につかれば血行が良くなりその薬の効果が全身に巡りやすくなります。
けれども、お風呂に入らないと血行の悪い部分にはお薬の効果が十分届かなかったりします。
例えばの例であげるなら、冷え性の患者さんの多くは足先の冷えがあります。
ということは足先の血行が悪いから起こるわけです。
そのため足先の冷えを改善させる漢方薬を飲むわけです。
しかし足先が冷えていると血行が悪くてせっかくの漢方薬がなかなか改善させたい足先に届かないなんてことが意外にもあるわけです。
漢方薬を飲んでからお風呂につかると、全身の血行が良くなりますから、その漢方の効果が足先の隅々まで届くようになるわけです。
このような基本的なことを意外に理解していない患者さんがおられたりします。
そのためお風呂はできるだけ毎日使えるようにしてください。
では再び温熱療法の話に戻りたいと思います。
温熱療法には私の知りうる限り、温灸(棒灸も含みます)、鍼灸のお灸、よもぎ蒸し、イトウテルミー、三井温熱療法、ビワの葉温灸、遠赤外線温浴、岩盤浴、サウナ、導赤療法などがあります。
温灸治療と鍼灸治療について
ではそれぞれの温熱療法について私の個人的な試験になりますけれども解説してみたいと思います。
まず温灸(棒灸も含みます)です。
温灸(棒灸も含みます)は使われているものはお灸と同じもぐさである場合が多いのです。
けれども、お腹全体とか、腰全体を暖めるような広い領域のものを指します。
ではそれと鍼灸治療のお灸とはどこが違うのでしょう?
鍼灸治療のお灸というのは、ツボに温熱刺激を与えることで体を改善させていくということを目的としています。
けれども温灸(棒灸も含みます)はツボという風に考えるのではなく、その部分全体を広く温めるというような考え方が中心です。
もちろんツボの部分を含んでいたりしますので全く影響しないかと言ったらそんなことはないですけれども、お腹全体とか腰全体とか温めるみたいな感じになります。
そうすると効果がどういうふうに違ってくるのか?と言うことを整理してみます。
温灸(棒灸も含みます)・・・効果は高くはないが、安全な治療法、素人でも失敗が少ない 効果は高くないため毎日行う方がよい
鍼灸のお灸療法・・・ツボの選択が正しければ非常に効果は高いが、間違うと逆に身体がおかしくなるリスクもある。腕の良い専門家に頼むべき
※お灸というのは、そのツボの選択が正しければものすごく効果的に体が温まったりとか 卵巣機能が高まったりとかします。
逆に間違ったとこを温めてしまったりすると機能がおかしくなったりする可能性もあるのです。
そのため ツボの選択というのがものすごく大事になります。
なので基本的にこのお灸の治療は鍼灸師の先生にお任せするのが良いのではないかと思います。
なおかつ鍼灸師の先生の中にもお灸が得意、不得意というのはやっぱりあるので評判の良いところに行かれるというのが重要になります。
では温灸を自分でやってみたいと思われる方が温灸をやっていくことに関してのアドバイスとして、 温灸と一口に言っても様々な大きさやタイプのものがあります。
まとめ
温熱療法の選び方のポイントとして、基本的にはまず、もぐさを使っているものが良いのではないかと思います。
あともう一つのポイントは温める部分がが広ければ広いほど安全だと思います。(必要なツボはひとそれぞれ違うのです。合わないツボを使うと副作用も当然出ます)
そのため温める領域が広くて もぐさを使っているものが良いのではないかと思います。
そしてあまり我慢しすぎて熱くしない。
気持ちいいくらいの温度で続ける。
最初は使用方法に書かれている時間か、それより短い時間でやる。
それを毎日続けるというのが一番簡単で一番安全で効果も出てくるなやり方なのではないかと思います。