以前、腰痛や膝痛の治療で通われていた患者さんから、久しぶりに連絡がありました。

ご相談の内容は腹痛で困っているということでした。

腹痛といっていも、女性の場合は、婦人科に関する問題と胃腸に関する問題の可能性があるのですが、この患者さんにお伺いすると、生理とかとは関係していないし、婦人科の問題ではない気がするとのことでした。

そこで、どういう時にどう痛いのかお話をお伺いすると・・・どうもストレスがかかったときに症状が出ている気がしたのです。

ただ、ご本人にストレスの原因をお伺いしたところ、ストレスが無いわけではないけど、今までよりそのストレス特に増えた訳ではないし、特に変わったことも無いと言われるのです。

そこで、さらに東洋医学的なツボの反応をチェックしてみたのですが、やはりストレスが腹痛に関連している気がしました。

そこでストレスを発散する漢方薬を試しに一週間分お出ししてt様子をみていただくことにしました。

そして1週間後、この患者さんが来られた際に様子を伺いすると・・・

腹痛は少し緩和しているということでした。

この漢方薬は直接お腹の痛みを取る働きはありません。

そのことからもやはり、今回の原因はストレスが関係しているように思いました。

そこで改めてもう少しストレスに関する具体的な質問をしてみました。

何を聞いたかと言うと、以前と比べて周りの人と話す頻度が減ってないかどうか?や飲み会の頻度などについてです。

そうすると、やはり思った通り、人と話す頻度や飲み会の頻度などは圧倒的に減っているそうです。

ここ最近このように、特別ご自身がストレスが増えたと自覚するようなことがなくても、ストレスが原因で不調をきたしていると思われる患者さんが増えているのです。

これがどうして起きているのか?

それに関して最近、私が感じていることは、以前は飲み会や人と話すのがストレスで、それが原因で不調を訴えられる方が多かったように思うのですが、最近は、人とコミュニケーションとる機会があまりにも減りすぎて、ストレスを発散する機会が失われて、それが原因で不調をきたしていることが多いように思うのです。

ストレス緩和イメージ

そこで、ぜひ皆さんにまず理解してやってもらいたいことがあるのです。

とてもシンプルな話です。

私は多くの人はストレスに弱いと思っています。

しかし、実際ストレスを受けている方のすべてが病気になるわけではないですよね。

ストレスが原因で不調になる人とそうでない人は何が違うのか?もともとのタフさが違うのか?

そういう部分もないことは無いかもしれませんが、感情をダムの水に例えて考えるとわかりやすくなります。

まず、入ってくるストレス(感情のエネルギー)に対して出ていく(発散する)感情エネルギーが同じなら、ダムの環状の貯蔵量は増えていかないから問題(不調)は出ないのです。

ところが入ってくるストレス(感情エネルギー)に対して出て行く(発散する)感情エネルギーが少なくなってくると相対的にダムの感情のエネルギーの貯蔵量はどんどん増えていきます。

その感情にエネルギーの貯蔵量がダムの貯蔵レベルを超えてしまうとダムが決壊して感情的に壊れてしまうのです。

そのため、ストレスが原因で起きた病気でご自身が最もやるべき事というのは日々溜まってくる感情をいかに発散するかということなのです。

それがコロナの前は隣の人と話したりみんなで飲みに行ったりすることで無意識に発散されていたわけです。(嫌なこともあったかもしれませんが・・・)

そういった当たり前にあった機会が失われたことで感情的なエネルギーが今までよりも溜まりやすくなり不調を起こしやすくなっているのです。

この大きな要因となっているのが新型コロナの存在です。しかし残念ながらコロナがいつ収束するのかわかりません。

そのため、ストレスによる不調から身を守るためには何をしないといけないかと言うと・・・意識して人と会ったり人と喋ったりすることなのです。

そんなこと?と思うかもしれませんが、これ皆さんが思っている以上に大事なことなのです。

日々溜まってゆく感情エネルギーを日々流してゆく(発散してゆく、捨ててゆく)ことは本当に重要です。

そして、できるのであれば、自分が好きな人一緒にいる、ストレスが和らぐ人と話す、自分のストレスが発散できる人と意識して会うということが本当に重要なのです。

ぜひ覚えておいてください。