男性のニキビの患者さんが来られました。

この方、当時高校生で、患者さんの紹介で去年の秋ごろからニキビのことで漢方相談に来られました。

過去に皮膚科にも通っていたことがるそうですが、良くならなかったそうです。

それでも、一時期自然に良くなっていたそうなのですが、コロナ喎でマスクをするようになってから再び悪化するようになったそうです。

ニキビのできやすい場所は頬から顎周辺までの比較的、広い範囲です。

ものすごくひどいというレベルではないですが、赤ニキビ、白ニキビ、黄ニキビが散らばって存在しており、気になっても仕方のないレベルだとは思いました。

そこで、まずは青春のニキビに使う代表的な漢方薬を服用していただくことにしました。

それと同時に食事の指導を行いました。

一緒に来られていたご家族も食事には気を付けれているといわれていたのですが、基本的にニキビのできる方はやはり野菜(特に緑の葉野菜)が不足しています。

この方もやはりそうで、今まで以上に野菜を摂取することをお願いしました。

また、ニキビのできやすい方は、普通の方に比べ、お菓子や菓子パンを食べている方が多いのですが、この患者さんはそうでもありませんでした。

そのため、漢方薬を服用しながら、葉野菜をしっかり食べることを養生法として日々実践していただくことにしました。

そして、ニキビの状態に応じて漢方薬を都度変更していきました。

それに伴って、多少良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら、トータルとしては徐々にニキビの状態は改善してきました。

ところがある時期から、なぜか、ニキビというより、顔全体に赤味が出てきたのです。

食養生イメージ

ニキビよりもむしろその赤味が気になるということで、途中から、ニキビよりも顔の赤みに軸足を移して漢方治療を行いました。

そして、全体的に症状が落ち着いてきた頃に、高校を卒業して今度は食事付きの寮生活を送ることになるとのことでした。

若い人の寮なので食事は当然、高脂質・高カロリー・低野菜になることは予測が付きました。

せっかく肌質の改善ができてき始めた時期なので、再び悪化するのではないか?と心配しました。

そこで、色々、思案したのですが、この患者さんが最初の頃、ご相談で持ってこられていた青汁を寮に持参して服用していただくことにしました。

基本私は青汁はあまりおすすめしていません。

それはなぜかというと、青汁は野菜と漢方薬の中間ぐらいの作用があるものが多いのです。

そのため、合わないと反って皮膚に吹き出物が出てくるケースがあるのです。

特にニキビの患者さんは、普通の方に比べ、皮膚がデリケートであることが多いのです。

そのため、作用の強い青汁少量より、作用の弱い葉野菜を大量に摂取する方が皮膚の治療上安全なのです。

ところがこの患者さんの持ってこられた青汁は非常に稀なことですが、この患者さんに合っていたのです。

その後、他の青汁も持ってこられましたが、やはり、最初に持ってこられた青汁が良かったのです。

そのような理由で、この患者さんには寮生活で漢方薬+青汁を服用していただくことにしました。

寮生活の食事は予想通り、高脂質・高カロリー・低野菜だったそうです。

そのため最初はどうなることか?と思いましたが、実際には漢方薬+青汁の組み合わせで順調に良くなっていきました。

そして、先月の段階で漢方薬は服用しなくても大丈夫なレベルまで到達したと思いました。

しかし、寮での食事の問題があるため、漢方薬は出さず、青汁だけ服用していただいて、1か月後に再び来ていただくことにしたのです。

そして、1か月に来られた際に皮膚の状態をチェックすると、変わらず良い状態をキープしていました。

そのため、ここで漢方治療は終了とさせていただきました。

ただし、間食を含めできる範囲で食事には気を付けていただくことと、毎日欠かさず青汁を服用することをお願いしました。

漢方治療を始めてから約7か月比較的順調に治療を終了することができました。

良かったです。