紹介で腰痛の患者さんが来られました。

この方、以前、腰痛の治療でうちの薬局に来られた方が整体師で、その人から自分も腰痛が治ったので行ってみなさいと言われたそうです。

さて、この患者さんですけれども、来られた段階でびっこを引くような感じでかなり歩くのが不自由そうです。

最近は歩くのが大変な上に、今日は来られる際に電車のクーラーがものすごく効いていて、 それでものすごく体が冷えて、筋肉がこわばってしまって歩くのがより大変なのだそうです。

そこで、腰痛になってしまった原因をお伺いすると、最初は病院に膝が痛いために通っていて、それはある程度よくなって、リハビリの指導を受けた際に1kgの重りをつけて歩くように言われ、それを始めてから今まで全く痛くなかった腰に痛みが出るようになったそうです。

しかも、かなりの痛みなのです。

どう考えてもその重りを使ったことが原因です。

ところが、病院ではそのおもりが腰痛を起こしたとは一切言わず、もっと悪化したら手術しますと言われたそうです。

今までいろんな病院の話を聞いてきましたがこんなにひどい病院は聞いたことがありませんでした。

リハビリの指導も、痛くなった後の対応も最悪です。

漢方薬局ハーブスイメージ

そもそも、このような老人性の膝関節痛に重りで負荷をかけるのなんてとてもナンセンスです。

重りををつけてリハビリをするのは若い方で外傷性によって一過性で筋力が低下した時の回復のために行うようなものです。

見るからに軟骨がすり減っているようなタイプの老人の方に重りをつけてリハビリをさせるというのはより軟骨を削る結果に繋がってしまいます。

そして痛みを取るために出されている薬の量も非常に多く、外用薬を含めると7種類も痛み止めが出ていました。

そしてどれも正直全く効いていないのです。

効かないどころか、痛みが増える一方なので、病院での薬も増えていくのです。

最初は病院の言う通りに治療を続けていたのですけれども、このままだともっとおかしくなると思って、病院の治療に見切りをつけて私の漢方薬局に来られたのでした。

この話を聞いた段階で、おそらく軟骨の消耗に伴う関節の摩擦が原因で炎症が起きたのではないか?と思いました。

そして実際に立っていただいて、痛い場所を教えていただくと痛い場所は、左の仙腸関節の辺りでした。

今までの経験からいって、 この患者さんが痛がっている部位というのはあまり痛くなりにくい部位です。

そのことからも自然発生的に起きた腰痛ではないと思いました。

どちらにしろ、とりあえずこの方の腰痛を減らしていく必要があります。

漢方薬としては、関節の炎症を抑えるような漢方薬が必要となると思いますし、軟骨のすり減りを補うようなものも必要になると思いました。

そこでこの二つの要素を含んでいる漢方薬を一週間分お出しして様子をみることにしました。

そして一週間後、患者さんが来られました。

歩いている姿を見ると先週よりは良さそうです。

実際に先週ほどの腰の痛みはなくなったそうです。

そして、今まで病院で出された薬は一切やめたそうです。

漢方治療イメージ

腰痛が出たのが6月からで、それから3ヶ月間病院で治療を受けたのですけれども、どんどん悪化していって不安だったものが、漢方薬を服用して一週間で痛みが減ったため、少し安心されたようです。

今回のことで私が思ったのは、自分の体は自分で守らなければいけないんだなぁということです。

私の知り合いの中にもお医者さんはいますし、 多くの先生方は勉強熱心で立派な方が多いです。

しかし、このように判断を誤った治療を行ってどんどん悪化させて、尚且つ謝らず、高圧的な病院もごくごく少数あるというのは事実です。

運悪く、このような病院や医師に当たってしまった時に自分を守れるのは自分しかありません。

最低限、おかしいと思ったら、セカンドオピニオンなどをとるようにされた方が良いのではないかと思います。

この患者さんはおそらく、現在の漢方薬を続ければある程度のところまで良くなると思います。
けれども、年齢が割と高齢であるため、完全に良くなるには時間がかかるかもしれません。

それでも3ヶ月間治療を受けても悪くなり続けていたものが、一週間で治る方向に変わったというのはこの患者さんにとって意味が大きいのではないかと思います。

とりあえず私もホッとしました。