過ぎたるは及ばざるが如しという言葉をご存知ですか?

これって簡単に言えば、やり過ぎは不足していることと同じくらい良くないという意味です。

今回はそういうお話です。

約2週間前に以前、五十肩の治療で来られていて、完治した方から、久しぶりにお電話がありました。

凄く激しい頭痛がして、眠れないのでみてほしいということでした。

そこで、実際来られて、お話をお伺いすると・・・
コロナでステイホームしていたらご主人が運動不足になったそうです。

でもコロナが恐いので、ご主人がパーソナルトレーニングをお願いして、ついでにこの方も一緒にトレーニングを始めたそうなのです。

そのトレーナーの方が、この方の運動能力を高く評価されたようで、かなりキツイメニューを組まれたそうなのです。

最初は、なんとかついていけていたそうですが、ある日のトレーニング中にあまりにつらくて調子をおかしくしたそうなのです。

そこから、経験したことが無いような頭痛に襲われるようになったそうなのです。

これが、夜中も続くので安心して眠れなくなったそうなのです。

来られた際にはかなり憔悴しておられました。

漢方治療イメージ

この話を聞いて、これは、自分の能力以上のことをしようと思って頑張りすぎて自律神経の交感神経を過度に興奮させたことが原因だろうと思いました。これに関しては誰でも推測できるかもしれませんが、問題はどの漢方薬を選ぶか?なのです。

そこでとりあえず、甘味のある漢方薬で精神緊張を緩めてみようと思いました。

症状そのものはひどいですが、深い問題ではないように思えたので、数日分のお薬をお出しして様子をみることにしました。

数日後連絡があり、この漢方薬を飲むと調子が悪くなる気がすると言われるのです。

そこで再度来ていただいて、再度、漢方薬が合っているか確認すると・・・
確かに合っていない気がします。

そこで再度チェックし直し、今回は自律神経の調整作用があると言われている生薬を含んでいる漢方薬を3日分出してみることにしました。

そして3日後来られた際に様子をお伺いすると・・・
今回の漢方薬は劇的に効いて、症状は殆どでなくなったそうです。

でも、ゼロになっていないのと、症状が再発したらどうしようという不安があるそうでした。

そこで再度、チェックしなおして、再び違う漢方薬を数日出しました。

感覚的にはもう一つくらい別の原因があるのではないかと思っていたのです。

そして数日後来られた際に様子をお伺いすると・・・
もう症状は全く出ていないそうです。

実際、身体の状態をチェックしても特に問題は無さそうでした。

そのため、これで治療はおしまいにしました。

結局これって、急に自分の能力以上のトレーニングを急激に始めたことが原因だったと思うのです。

本来は、ここの部分はトレーナーがコントロールするべきところですが、やり過ぎは禁物ということです。

この患者さんにも、運動するのは良いことだけど、徐々に負荷をかけるような運動を心がけてくださいとお話ししておきました。

それでも、症状が改善してよかったです。