ホームページを見て患者さんが来られました。

この方、40代の男性で、ストレスのかかる仕事をされているということです。

主訴としてはやる気が出ない、眠りが浅くて疲れが取れないということでした。

この症状が出てきてからまだ2ヶ月弱ですけれども、 以前にも何回かこのような症状になったことがあるそうです。

その時には仕事を数ヶ月休んだこともあるそうです。

ご自身でこのようになった原因に関してお伺いすると、仕事や家庭などでストレスがかかったことが原因なのではないかと言われていました。

現在、病院にもかかっておられて、精神科を受診してお薬が出たそうです。

しかし、服用しても効いてる実感がないということで相談に来られたということでした。

そこで、やる気が出ない、眠りが浅く疲れが取れない以外に何か症状がありますか?という事をお伺いしたところ、不安に襲われる、胸がつかえる、目の奥が疲れるなどの症状もあるとのことでした。

そこで、これらの症状やお話した感じ、さらに追加で漢方的な問診などを行って、この患者さんに合いそうな漢方薬をおよそ3種類ぐらいに絞りました。

その中でさらにストレスのツボの反応でチェックしてみて、その中から一番合う漢方薬を選んで服用していただくことにしました。

 

漢方治療イメージ

それから一週間ぐらい過ぎた頃に、この患者さんから、身体のいろんな部位が熱くなるのですが・・・というメールのお問い合わせがありました。

今までこの漢方薬を出して、そのような症状が出たことがなかったので、慌ててお薬を休んでもらうようにお願いして、再度来ていただくことにしました。

そして来られた際に、詳しくお話をお聞きすると・・・漢方薬を飲み始めてから、びっくりするほどぐっすり眠るようになって、頭も身体もスッキリして調子が良くなったそうです。

なおかつ、食欲も出てきたそうです。

ここで余りにも良くなりすぎて、こんなに寝すぎちゃだめなんじゃないか?と気持ちにブレーキがかかって、眠くなった時に寝るのを我慢したら、眠りが浅くなって、先ほど言ったような身体の色んな場所が熱くなるという症状が出てきたそうです。

その話を伺いしてこれは瞑眩(めんけん、めんげん)の一種だと思いました。

瞑眩イメージ

瞑眩(めんけん、めんげん)というのは一般的には好転反応と言われるもので、症状が良くなる前に一時的に悪化するような現象を言います。

瞑眩(めんけん、めんげん)について、少しお話しします。

まず、瞑眩(めんけん、めんげん)はそんなにしょっちゅう起こるものでありません。

私は数年ぶりに経験しました。

そして、実際に瞑眩(めんけん、めんげん)というのはそんなに長く続くものでありません。

通常は数日で終わるものです。

私が良く聞くのは、患者さんが過去の話で、高額な健康食品やサプリメントを服用して、今までに無かった症状やもともとの症状が強く現れて、それが1ヶ月以上続くので販売員に問い合わせたら、それは瞑眩(めんけん、めんげん)だと言われたというような話です。

数ヶ月もが瞑眩(めんけん、めんげん)が続くとはまずありません。

そういう場合は、かなりの確率で、服用しているサプリメントや健康食品が合っていないのです。

こういう会社の健康食品やサプリメントはやめた方が無難です。

うつ病改善イメージ

 

話を戻しますが、そのため、この患者さんには再度同じ漢方薬を服用していただくことにしました。

そして、約1週間後に来られた際にお話をお伺いすると・・・体のいろんな部分の熱さはほぼ無くなったそうです。

そして、疲れはかなり取れてきているそうです。

なおかつ不安感がかなり減ったそうです。

さらに、漢方飲み始めた当初は残っていた胸のつかえはほとんど無くなり、目の奥の疲れも若干残っている程度になったそうです。

この漢方薬はストレスの患者さんには比較的良く使う漢方薬ですが、短期間でここまで効くのは非常に珍しいことです。

その分、途中で改善がピタッと止まるではないか?という不安も少しあります。

でも、何はともあれ、漢方服用1ヶ月経たないうちにこれだけの症状の改善が起こったのは良かったです。

ただし大事なのはこれからです。

漢方薬を服用しなくてもこのような良い状態が続くように体質改善しなければ、また症状を繰り返してしまうことになります。

そのため、同じ漢方薬をしばらくの間、続けてもらう必要があるのです。

症状が無くなってもある一定期間、同じ漢方薬を継続して服用することではじめて体質改善が起きるのです。

でも実際には症状がおさまったら、漢方薬をやめてしまう方もおられます。

これは特に男性の方に多いです。

それでも、とりあえず、症状が短期間で改善して

ホッとしました。