多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんが来られました。

この方はどなたかの紹介(はっきりだれからと言いうほどでなく、ハーブスいいんじゃない?くらいの評判)で来られたようです。最初に来られたのが4月の中頃でした。自分では自然には排卵もせず、生理も来ない、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の中でも重症の部類の方でした。

しかも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だけではなく、大きさはそれほどではないのですが、チョコレート嚢胞ももっている。つまり子宮内膜症もあるということなのです。

さらに排卵誘発剤を使っても卵が育たないので注射剤を使って何とか排卵するレベルなのだそうです。

そして過去に2度流産されているのです。

話を聞くだけでなかなか厄介そうです。

問診では冷え性がかなりあり、望診(見た目)からも血行が悪い感じがありました。それ以外に漢方でいう気虚(エネルギー不足)、水毒(水分代謝異常)、気滞(精神的ストレス)などもあるようでした。

ただ話した感じはそれほど性格的に激しくはないので、気滞が病気の原因にはなっていないように思いました。

基本的に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)もチョコレート嚢胞も共通する原因はお血(血流障害)なのです。そこで血流を良くする漢方薬で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に良く使われる漢方薬を中心にこの患者さんに合いそうなものを探してみました。

そうすると・・・見つからないのです。この方は相談時間の最後の時間に来られたので、通常初回の相談時間は1時間なのですが、この方は1時間半かけて合う漢方薬を探したのですが、結局見つけることができませんでした。

そこで1週間後再度来ていただくことにしました。

そして1週間後来られて再度仕切り直しで、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だからお血の薬と先入観を持たずに再度合う漢方薬を探しました。

そうすると・・・見つけました。

漢方薬はお血と血虚の漢方薬の組み合わせにさらに、生薬を組み合わせる必要がありました。でもこの日はなんとなく頭の中がクリアーだったし、気の感覚も冴えていたようで、比較的早く合う漢方薬を見つけることができたのです。

そこから2週間おきに来ていただいて、前回、病院に行っていないのに自力で排卵したというお話をきいて、良かった~と胸をなでおろしたところでした。そこから2週間経過した今日、お話を伺うと・・・陽性反応がでたとのこと。

マジですか・・・全く予測していませんでした。

まあだいたい予測していない人がいつも妊娠するんですけどね・・・

漢方服用して1か月半、初めて来た自力排卵での妊娠です。うちでは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんではこのこのパターンは意外と多いのです。

とりあえず、良かったです。これからは流産止めの時期に入ります。その漢方薬探しです。

つづく