少し遠方から不妊症の患者さんが来られました。

いつものように、体調はどうですか?と伺いしたところ、妊娠しましたとのこと。

「ええっ」と、声をあげて驚いてしまいました。

というのも、この患者さん、まだ漢方治療を始めて1ヶ月半と短い期間で妊娠されたのです。
しかも、この患者さん、私の薬局に漢方相談に来られるまで、約3年間、不妊治療をされていて、もうすでに人工授精は6回されその後に体外受精を3回されているのです。
それでも妊娠しなかったため、また病院を変えられて、再度、タイミング療法から始められ、人工受精をして、それでも駄目だったため、さらにその病院でも体外受精を行なったのですが、それでも妊娠せず、今は人工授精で様子を見ている時期だったのです。

この方が最初に漢方相談に来られた際、病院での検査結果としては、片方の卵管に卵管閉塞があり、タイミング療法や人工授精の場合妊娠しづらい状況でした。

また、この患者さんは体外受精の採卵の際、卵巣内に卵胞が7から10個近く見えることが多いのですが、実際に受精して凍結できるのはだいたい一個なのです。
そのため、卵子に問題がある可能性は非常に高いです。
そこで卵の質の改善と卵管閉塞の改善を目標に漢方治療を行うことにしました。

卵管閉塞を起こす浅い原因としては、主におけつ、血流障害であること多いのですが、根本的な原因には気虚(エネルギー不足)がある方が多いのです。

そのため、きっと瘀血か気虚の原因があるだろうと思っていました。

そこで、漢方的な体の状態をチェックするための問診、舌診、基礎体温など、様々な視点からこの患者さんをチェックしてみると、舌診ではおケツ、問診で気虚もある可能性が高いことがわかりました。

そして、最終的に不妊症のツボの反応から気虚が主な原因だろうと推測しました。

漢方薬治療イメージ

そこで、気虚の漢方薬の中から、この患者さんに合う漢方薬を探しました。
そうすると、良さそうに思えるものが見つかったので、その漢方薬を約2週間服用していただくことにしました。
そして、2週間後に来られた際に、再度チェックすると、お薬はもう合っていませんでした。
そこでまた処方を考え直し、漢方薬をお出ししました。

そして、さらに2週間後来られた時に、再度漢方薬が合っているかどうかをチェックすると・・・今回は合っていました。

そこで同じ漢方薬をさらに2週間服用していただいて、来られた際にお話を伺いしたら妊娠されていたのです。

まだまだ、妊娠したばかりで、今後のことは心配ですが、それでも人生で初妊娠です。

よかったです。