この間、非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)の病名診断を受けたといわれるが漢方相談に来られました。
この方は非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)以外にも肺気腫の診断やアトピー性咳嗽などの診断を受けられています。
そしてもう少し話を詳しくお伺いした時に、体重が徐々に徐々に減ってきているという話もお伺いしました。
それらのことを諸々考慮をすると確かに非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)の疑いは高いのかなという風に思いました。
さらに体の状態把握するため問診でどのような咳が出るのかということをお伺いすると、痰が絡んだ咳をするということでした。
ただし痰の色は自分でうまく出すことができないからよく分からないということでした。
そして日中も夜も痰の量は変わらないということでした。
さらにのどの辺りに 違和感があるということでした。
さらに話を伺いすると、しゃべると咳は出やすくなるけれども温度差で咳が出ることはないとのことです。
非結核性抗酸菌症かどうかというのはこの段階では判断することはできないですけれども、
少なくとも肺は乾燥には弱いタイプだろうということは想像がつきました。
そこでまずこの肺を潤すものに敏感な呼吸器の状態を改善するような漢方薬を組み合わせてみるとこれはうまく見つけることができました。
次に非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)に用いる定番の漢方薬の組み合わせをチェックしてみると・・・何度見ても合いません。
なぜだろう?・・・全くわからなくなりました。
今までかなりの数の非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)の患者を見てきましたがこういうケースは見たことがないです。
それで普段の生活に何か問題がないかを改めてチェックすることにしました。
まず咳が出やすくなりやすい原因として考えるのは刺激物を通常から多めに摂取している場合です。
そこで生姜や唐辛子などの刺激物を日頃から取ってないか?ということについてお伺いしました。
そうすると毎日かなりの量の生姜を摂取しているということがわかりました。
さらに シナモンもかなりの量を摂取していることもわかりました。
シナモンで直接呼吸器に問題が出るかどうかははっきりとは言えませんけれども、生姜によって呼吸器が刺激され咳が出やすくなることは考えられます。
そのためまず生姜を意図的に摂取するのを止めていただいて肺を潤し、肺の粘膜を丈夫にする漢方薬を飲んでもらって様子を見ることにしました。
それから2週間ほど経過してまた患者さんが来られました。
このときに患者さんが言っておられたのは周りの人から咳払いの数が減ったと言われたということです。
それ以外に声の感じが少し変だと言われるという話をされていました。
正直声の変化ははっきりとはわかりませんでしたけれども、咳払いの数が減ったということは喉の違和感が減ったということになるので、これはこれで漢方薬が効いているということなのだと思いました。
そこで再び非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)に用いる漢方薬をチェックしてみました。
がやはり合うという感じは得られませんでした。
しかし病院で再度この患者さんが担当の医師に確認してみたところ、お医者さんの所見では菌を培養するような確定診断を行っていないけれども画像上、非結核性抗酸菌症(非定型性抗酸菌症・肺MAC症)の可能性が高いということ言われていたみたいです。
これに関しては何とも言いようがありません。
しかしどう考えてもの漢方薬が合うように思えないので、その漢方薬を出すのはやはりやめて現在の敏感な呼吸器の人に用いる漢方薬を継続して使うことにしました。
この薬は非結核性抗酸菌症の患者さんにもよく使う漢方薬ですので非結核性抗酸菌症そのものは良くならないにしても、非結核性抗酸菌症に伴う咳の問題は改善します。
そうすると肺の炎症がなくなり、肺の状態は良くなる可能性はあります。
そのためこの薬で行けるとこまでしばらく様子を見ようという話をしました。
とりあえずまた2週間分漢方薬を作りしたのでまた2週間後に来られることになると思います。
また様子が変われば また書いてみたいと思います。
さらに、非結核性抗酸菌症(肺マック症)に興味のある方は→非結核性抗酸菌症(肺マック症)のページ