以前吹き出物と貧血の症状で漢方相談に来られたことのある方から電話がありました。

最近、突然、ふわっとして気持ちが悪くなることが多いので、見てほしいということでした。

約一か月前ぐらいに激しいめまいのような症状があって、その時の症状は今出てないのですが、別のめまいの症状で困っているそうです。

それと同時に、動悸も出て不安になるそうです。

最初、この話を聞いた時、貧血が再発したのではないか?と思いました。

この方は40代の女性で生理があるため、毎月出血します。
そのため、男性に比べれば貧血になりやすいのです。

実際に、この患者さんが来られてお話を伺いすると、とりあえず耳鼻科に行ってめまいのお薬をもらったそうなのですけれども、一向に効かないそうなのです。

この話からも耳鼻科の領域の問題ではない可能性が高いのです。

そこで、今の状態を糸練功でチェックしてみると、 内耳には特に問題がなさそうです。
さらに、めまいのツボもチェックしてみたのですけれども、特にめまいのツボに反応は出ていません。

そうすると他に考えられるのは、精神的なストレス、貧血、血圧、更年期障害などの問題です。

そこで、この精神的なストレスの反応の出るツボもチェックしてみたのですけれども、特に問題なさそうです。

次に貧血と血圧の問題をチェックしてみます。

更年期障害治療イメージ

貧血は以前になったことがあるので可能性はあります。

そして血圧は低血圧でも高血圧でも めまいのような症状が出ることがあります。

年齢的に考えると更年期障害の症状の可能性はあります。

そこでまず貧血や血圧のつぼの反応チェックしてみると、ここに反応が出ている気がしました。

そうすると常識的に考えると貧血の可能性が高いです。

そこで、この方に合う漢方薬を探してみることにしました。
そうすると貧血にも更年期障害にも使う漢方薬が合いそうでした。

話の流れから考えても妥当ですし、大きな副作用も出にくい漢方薬ですので、とりあえず一週間分、出してみることにしました。

それと同時に、病院で貧血の検査も行ってくださいという話をしました。

それから数日後、この患者さんから連絡があり、貧血はなかったということでした。
そして病院で測ってもらったらなんと高血圧になっているということでした。

高血圧かあ~・・・

女性の場合、更年期を過ぎて閉経すると間違いなく高血圧になっていきます。

ただし、この患者さんの場合は、まだ閉経までには至ってませんから、いきなり高血圧になるのは不思議です。

おそらく単純に動脈硬化が進んで高血圧になっているわけではないと思います。

そうすると、やはり考えられるのは、更年期障害による高血圧です。

こで更年期障害のツボの反応チェックしてみると、反応が出ている気がします。

そして、この更年期障害のツボの反応から合っている漢方薬を探してみると、やはりこの間出した漢方薬が合っているという感じがなのです。

漢方薬局ハーブスイメージ

そこで、さらにもう1週間同じ漢方薬を服用してもらうことにしました。

ところが、数日後、連絡があり、調子があまりよくないので見てほしいとのこと。

そこで、来ていただいて漢方薬を再度チェックしてみました。

そうすると、やはり合っている気がするのです。

おかしい・・・

そこで改めて症状で特に気になるところを挙げてもらうと、動悸と頭がふわっとなる感じだそうです。

現在、使っている漢方薬は漢方的に言えば補血薬といって、女性ホルモンの働きを高めて更年期障害の症状を抑えるようなものです。

そしてこの方の症状はまさに更年期障害の症状と思えるものなのです。

でも、実際に症状は十分改善していないけれども、感覚としては漢方薬は合っている気がする・・・

こういう場合は、今使っている漢方薬に抑えきれていない症状に対する作用を持つ漢方薬や生薬を追加すると改善することが多いのです。

そこで、今の漢方薬に、高血圧にを下げるような生薬がさらに加味された処方が2つあるので、その2つのどちらかが合わないかチェックしてみることにしました。

そうすると・・・ビンゴです!!

今出している漢方薬よりもさらに良い感じがします。

そこで、この漢方薬に変えてまた1週間様子を見てもらうことにしました。

そして、1週間後この患者さんが来られたので様子をお伺いすると、前より少し良いとのこと。

でも、1日のうちで必ず悪化するというのです。

そこで、どういう時に悪化するのかお伺いすると・・・夕方の4時~6時くらいが多いのです。

これって・・・現在1日2回服用で漢方薬を作っているのですが、丁度、漢方薬の血中濃度が低下してくる時間帯なのです。

そこで、今回は漢方薬の種類と量は一緒で服用回数を1日2回から1日3回に変更して服用していただくことにしました。

このようにすると身体の中で漢方薬の血中濃度が一定に保たれるので、血中濃度の低下に伴う症状が出にくいのではないか?と考えたのです。

そして、さらに1週間後、相談に来られた際に様子をお伺いすると・・・やっぱり調子のよい日と悪い日があるが、前ほどではなく安定してきているとのこと。

ホッとしました。

この感じが、漢方が効いている感じなのです。

人間も自然界の生き物なので、症状が改善する際は、絵に描いたように直線を描いて改善するわけではないのです。

季節が移り替わる時(冬から夏に向かうとき)直線で厚くなることはないのです。熱くなったり、寒くなったりを繰り返しながら気が付けば、熱くなっている。

そのように蛇行しながら徐々に改善してゆくのです。

おそらく、あとは時間が解決してくれると思います。

とりあえずはひと安心です。

 

 

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